目指すは「暖冬でも売れる防寒着」 ワークマン、“売上16%減”克服に秘策(1/2 ページ)
ワークマンは8月26日から、独自開発の新素材「XShelter」を用いた「断熱ウェア」シリーズの予約販売を開始した。暖冬による防寒着の不調に苦しんできたという同社はこの冬、「断熱材」で勝負するようだ。8月26日に開かれた「ワークマン秋冬新製品発表会」で取材した。
ワークマンは8月26日から、独自開発の新素材「XShelter」を用いた「断熱ウェア」シリーズの予約販売を開始した。防寒着を強みとしてきたものの、ここ数年の暖冬による売り上げの落ち込みに苦しんできたという同社。新たな技術で「寒くない冬」を攻略したい考えだ。
合計8アイテムを展開
XShelterのシリーズから発売するのは、「断熱ベスト」(2900円)、「断熱ジャケット」(3900円)、「断熱パンツ」(2900円)、「断熱防水防寒ジャケット」(5800円)、「断熱AEGISプレミアム防水防寒スーツ」(9800円)、「断熱マフラー」(980円)の6アイテム。
また、オンラインストアでは、「断熱レディース防水ウォームアウター」(4900円)、「断熱ムービングシュラフ」(9800円)の2アイテムも取り扱う。
売り上げ16%減→消費者の「悩み」に着目
同社の土屋哲雄専務によれば、Xshelterシリーズ開発の狙いは、相次ぐ暖冬により低調だった防寒着の売り上げ挽回だ。昨冬(2023年12月〜2024年2月)も気温が平年を上回る時期が続き、気象庁は全国的に気温が「かなり」高い冬だったと発表している。土屋専務は、「ワークマンは“厚めの防寒着”が得意中の得意なのですが、売り上げが2年間で16%減っていました」と話す。
こうした苦境において同社は、「冬場に何を着たらいいか分からない」という消費者の悩みに着目した。冬物の準備をしたい9〜10月の段階では、次の冬が暖冬になるか厳冬になるかは分からず、機能性を考慮して商品を購入するのが難しい。また、冬場になってからも、駅まで歩く間の寒さに合わせて着込んだアウターが、25度の電車内では暑くてサウナ状態――という事態は、いわば“あるある”だろう。こうした発想から同社が着手したのが「厳冬でも暖冬でも使えるウェア」の開発だった。
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