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目指すは「暖冬でも売れる防寒着」 ワークマン、“売上16%減”克服に秘策(2/2 ページ)
ワークマンは8月26日から、独自開発の新素材「XShelter」を用いた「断熱ウェア」シリーズの予約販売を開始した。暖冬による防寒着の不調に苦しんできたという同社はこの冬、「断熱材」で勝負するようだ。8月26日に開かれた「ワークマン秋冬新製品発表会」で取材した。
災害時の使用も想定
XShelterは、熱伝導を妨げる「断熱シート」と、繊維に光を吸収し蓄える「発熱わた」の二層構造を特徴とする素材。一般住宅の断熱材から着想を得たという。
製品の開発に当たっては、防災対策の要素も織り込んだ。「そのまま災害対策に役に立つ商品」を目指し、連携協定を結ぶ日本赤十字社看護大学附属災害救護研究所と提携。災害救護の専門家の知見から、寒冷期の災害避難所での使用や、水ぬれや発汗による低体温症の防止というシーンも想定し、断熱性と同時に通気性も確保できる仕様を考案した。これにより「厳冬でも暖冬でも使えるウェア」を実現したという。
「本当に寒いときは防寒になって、電車に乗ると逆に周りの人の熱を遮断して涼しい商品になりました。うまくいったら1年に1着で済む商品が出るかもしれない。1着で済んだら私たちにとっては悪夢ですが(笑)」(土屋専務)
同社で新製品を発売する際は、生産数を控えめにするのが常だというが、今回のXShelterシリーズについては初年度だけで20万点を生産する見込みだ。販売総額は10億円を目標に掲げており、土屋専務は「これだけやったのは、ワークマン43年間の歴史で初めて」だと自信を見せる。新素材は同社にとって、冬物アウターの復調に向けた突破口となるか。
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