累計1億円集める「たった1人のメーカー」から学ぶ、ファンを仕事仲間にする方法:テストマーケティングから見るプロダクトの近未来(2/3 ページ)
1人だけど孤独ではない、バタフライボード社における仕事の進め方とは。
相談相手がいない孤独の開発 頼みの綱はユーザーの声
一見すると順調に成長してきたように見えるバタフライボード社ですが、「ひとりメーカー」であるが故に相談相手がいないことが大きな悩みでした。
そこで福島氏が徹底的に向き合ったのが、意見をくれるユーザーとのコミュニケーションです。福島氏のもとには、SNSやメール、Makuakeの応援コメントなど、日々商品に対してユーザーから意見が来ます。時には商品に対して否定的な意見も来る中、福島氏はユーザーと電話やメールで連絡を取ったり、直接会ったりと、とにかく「N1インタビュー(消費者1人に対してさまざまな質問をしていくインタビュー)」を行いました。
意見をくれるユーザーは、その意見が肯定的であれ否定的であれ、商品に期待してくれているともいえます。デジタルツールが主流となった時代に、手書きできるバタフライボードに対して共感しているからこそ「ここをこうして欲しい」「ここが不満だ」と意見をくれるユーザー。福島氏はこうした意見の中に新商品開発のためのヒントや課題などが眠っていると考え、N1インタビューによって顕在化していないニーズを導き出し、ファンの期待値を超えていく商品を目指しました。
2022年に発売した「ペーパージャケット」は、ホワイトボードの「消すのが面倒」という意見から生まれた商品です。これは紙のページを特殊マグネットで挟んで固定しており、使い終わったページは紙を破ることなく外せるという商品です。
バタフライボードのユーザーは手軽に手書きできるという点を重視しているということから、そのメリットを変えずに課題を解決する商品として同商品を開発。Makuakeでは約1600万円の応援購入額を集めました。
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