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累計1億円集める「たった1人のメーカー」から学ぶ、ファンを仕事仲間にする方法:テストマーケティングから見るプロダクトの近未来(3/3 ページ)
1人だけど孤独ではない、バタフライボード社における仕事の進め方とは。
ユーザーとともに開発を続けてつかんだ成功例
ペーパージャケットは結果として、ユーザー層の拡大にも成功しました。バタフライボードのコアユーザー層は40〜50代の男性が中心ですが、ペーパージャケットの最新モデルである「ペーパージャケット・カラー」の購入層では30〜50代の女性比率が上がっています。ユーザーの声を聞き、ホワイトボード素材からより親しみのある紙に変更したことと、女性ユーザーの好みに合わせたカラー展開を行ったからだといえるでしょう。
バタフライボード社の成長には、決して孤独に仕事を進めなかったという背景があります。ファンをパートナーとして捉え、共に製品を育てていく姿勢が評価されたといえるでしょう。
ビジネスにおいて、真の孤独とは相談相手がいないことではなく、ファンやユーザーとの対話を閉ざしてしまうことなのかもしれません。
著者プロフィール:高野翔一
株式会社マクアケ PR部コーポレート広報
1984年生まれ。大手食品メーカーの営業やPR会社などを経験。PR会社では大手テーマパークをはじめ、さまざまな領域のPRを担当。2022年に株式会社マクアケへ入社。入社後は、コーポレート・サービス広報として携わりつつ、モノづくりを始めとした事業者の挑戦を後押しする広報を主に担当。
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