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「コメ不足」でバカ売れの「パックご飯」が、日本の救世主になりそうな理由:スピン経済の歩き方(1/7 ページ)
サトウ食品の「サトウのごはん」をはじめとした「パックご飯」が売れている。米の品薄が続く中、国内での消費はもちろんだが、もっと日本の戦略商品として輸出を強化していくべきでもある。なぜかというと……。
「米は足りているので安心して」という政府の呼びかけもむなしく、いまだにスーパーの売り場に米は並んでいない。
そこでバカ売れしているのが「サトウのごはん」(サトウ食品)や「低温製法米のおいしいごはん」(アイリスオーヤマ)など、いわゆる「パックご飯」だ。
一部報道によれば、サトウ食品は8月22日に行った新商品発表会の中で「今春にライン増設が完了したが、需要拡大を受けて工場の拡張を決定した」と明かした。
実はこれは米業界にとっては久々に明るいニュースだ。「コメがない」「コメ不足だ」と大騒ぎをしているわりに実は、日本人はそれほど米を食べていないからだ。総務省統計局の家計調査によると、2014〜23年まで10年連続で1世帯当たりのパンの支出額が、米の支出額を上回っている。また農林水産省によれば、米の年間需要量は毎年約10万トンずつ減少。おいしいご飯を炊く「炊飯器」の2023年国内出荷台数は約470万台で、2010年に比べて160万台減少している。
そんな深刻な「コメ離れ」が進行している中で孤軍奮闘というか、右肩上がりで販売量を増やしているのがパックご飯だ。
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