連載
やっぱりジムニーなのか? キャンプブームが終わっても支持されるクルマ:高根英幸 「クルマのミライ」(3/5 ページ)
キャンプブームは落ち着いたと言われるが、キャンピングカーやアウトドアに使えるクルマの需要はあり、車中泊も定着した。大型車だけでなく、シエンタやジムニーシエラ、軽バンといった車種も支持されている。車内空間を有効に使うユーザーもさらに増えるだろう。
車中泊仕様だけではない、軽バンや軽トラの楽しみ
今後ヒットが予想されるアウトドア系のクルマとしては、2024年末に日本でも発売と言われているジムニーシエラの5ドアが挙げられる。3ドアの人気も依然として高いが、より広い室内空間を持つ5ドアは、アウトドアでの使い勝手が高まりそうだ。
4人乗りではあるが実用性も高まることで、幅広いユーザーを獲得できそうだ。しかし3ドアに対してあまり価格が上昇してしまうと人気も限定的となってしまうだろう。
ジムニーは軽自動車だから維持費の安さもあって人気だが、ジムニーシエラも合わせれば毎月6000台弱が売れている人気車種だ。
コスパ優先というアウトドア系ユーザーには、スズキ・エブリイのような軽バン/軽ワゴンが支持されている。軽貨物車として宅配事業にも引っ張りだこのクルマだが、DIYで車中泊仕様にしたり、リフトアップしてオフロード仕様にしたりして楽しむオーナーも増加中だ。
軽トラックも同様に、キャンピングカーに仕立てるだけでなく、オフロード性能の高さを強調するカスタムも人気がある。以前はボディカラーも白しかなかったようなカテゴリーだが、最近はシルバーに加えて鮮やかなメタリックカラーもバリエーションに加えられている。キャビンを延長してリクライニングを可能にするなど、自動車メーカーもこのところ軽トラの充実化には積極的だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
なぜクルマのコーティングが人気なのか ユーザー心理を利用する術
カーディテイリングビジネスが活況だ。日本では1980年代から徐々に市場が拡大。コーティング技術や洗車機の性能も向上し、安心できるサービスになっている。需要に応じて形を変えながら、さらに発展していきそうだ。
セダンが売れる時代はもう来ないのか クルマの進化で薄れていく魅力
SUVやミニバンと比べて、セダンの人気は衰退している。目新しさが魅力だったSUVも走行性能などが高められたことに加え、ドライバーの意識も変わっている。スポーツカーも衰退しているが、所有して運転する楽しさを追求できるクルマも必要だ。
キャンピングカー人気は続くのか 需要維持に必要な要素とは?
日本のアウトドアブームが落ち着いてきた一方、キャンピングカーの人気は衰えていない。展示会では大型車両をベースにした展示車が増え、熟年オートキャンパーの心をつかんでいる。しかし、ブームによるマナー低下に歯止めをかけないと、衰退につながりかねない。
なぜテールランプがまぶしいクルマが増えているのか クルマづくりに欠けている視点
前走車のテールランプをまぶしく感じることが増えた。平時にリアフォグランプを点灯するのは問題外だが、ブレーキランプの規制変更によるデザイン性の追求という要因もありそうだ。環境性能や安全性だけではなく、周囲に配慮する工夫もますます必要になるだろう。
ハイブリッドが当面の“現実解”である理由 勝者はトヨタだけではない
EVシフトに急ブレーキがかかっている。CO2排出や電力消費の面で現実が見えてきたからだ。現時点ではハイブリッド車、そのなかでもエンジンで発電してモーター走行するシリーズハイブリッドが最も現実的な方式だ。その理由とは……

