ニンテンドーミュージアムは京都・宇治市の観光を救う? 「資料館」が地域にもたらすもの:エンタメ×ビジネスを科学する(1/3 ページ)
任天堂がニンテンドーミュージアムを開館した狙い、そしてこれが地域・日本社会にもたらす効果について考察したい。
任天堂が「ニンテンドーミュージアム」を10月2日にオープンする。この施設を紹介した公式YouTubeライブ配信「ニンテンドーミュージアム Direct」は9月19日現在までに135万回以上視聴され、話題を呼んでいる。
任天堂がニンテンドーミュージアムを開館する狙い、そしてこれが地域・日本社会にもたらす効果について考察したい。
任天堂の「資料館」という側面
ニンテンドーミュージアムは宇治小倉工場の土地を再利用してオープンする。この工場は任天堂が1989年、花札やトランプの製造工場(当初は宇治工場)として設営し、後にゲーム機の修理業務を行っていた。
ミュージアムは大きく分けて、1階の体験フロアと2階の展示フロアという構成となっている。まずは同施設の「資料館」としての立ち位置について紹介したい。
2階の展示フロアでは、任天堂が過去に製造・販売していたさまざまな玩具・ゲーム機を展示する。任天堂は今でこそ家庭用ゲーム機器メーカーとして知られているが、1889年の創業から花札やかるた、トランプなどを強みとした玩具メーカーでもある。
長い歴史を持つ任天堂の資料館らしく、展示内容は充実している。展示フロアには「ファミリーコンピュータ」(ファミコン)はもちろん、花札やトランプ、ボードゲーム、ラジコンといった玩具のほか、後のデジタルゲーム機につながる「光線銃」シリーズ、任天堂初の家庭用ゲーム機である「カラーテレビゲーム6」など、40〜50代の世代ですら初めて見るであろう製品が多く展示される。
ファミリーコンピュータ以降のゲーム機やゲームソフトについても、任天堂が発売した全てのゲームタイトルが並べられており、今となっては見ることができない旧作のゲーム画面も鑑賞できる。
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