女性が管理職を望まない理由 「自信がない」「残業が増える」を超えた1位は? 400人に聞く
「管理職になりたくない」という女性は4割ーー。そのような結果がキャリアデザインセンター(東京都港区)が運営する、女性の転職に特化した転職サイト「女の転職type」による調査で明らかになった。働く女性を取り巻く環境とは。
「管理職になりたくない」と考える女性は4割――。女性の転職に特化した転職サイト「女の転職type」を運営するキャリアデザインセンター(東京都港区)の調査で、そんな結果が出た。管理職を望まない女性は、どのような理由を挙げたのか。
女性が管理職を望まない理由
管理職について「ぜひなりたい」とした人は7.7%にとどまった。「できればなりたい」とした23.2%と合わせても「なりたい派」は30.9%にとどまる。一方で「できればなりたくない」が最も多く30.9%。「絶対なりたくない」の9.1%と合わせると「なりたくない派」は40.0%に上った。
管理職になりたくない理由として最も多かったのは「責任が重くなる」で67.9%。「残業時間が増える」(63.0%)、「できる自信がない」(58.0%)が続いた。
その他「家族のことを犠牲にしてまで会社で活躍したくない」「家事育児が負担な上、仕事まで大変になるとつらい」など、家庭と仕事を両立させるため、これ以上の負担を増やしたくないという内容が多く見られた。
女性が考える「女性活躍」とは?
女性自身は「女性が活躍する」ということをどう捉えているのか。最も多かったのは「責任のある仕事を任される」で73.3%。「結婚・出産後も長く働く」(71.1%)、「管理職になる」(60.5%)と続いた。
その他「本人が描く未来像に近付いていると確信できる状況であること」「年齢にかかわらず働ける環境」といったコメントもあった。「女性の活躍」は、昇給、昇格、昇進など「社会的に評価されること」に加えて「自身が望むキャリアを歩めること」と考える人が多いようだ。
女性の活躍を阻害しているのは?
女性の活躍を阻害している要因と考えることは「男性優位の会社が多い」が69.4%で、最も多い結果になった。その他「時短勤務・在宅勤務など自由な働き方ができない」(57.3%)、「保育所、学童などの不足」(42.0%)が上位に並んだ。
女性活躍を推進するために職場で行われている取り組みとして、最も多かったのは「出産・育児をサポートする制度の充実」(31.4%)となった。「時短・リモートワークなど勤務形態の多様化」(30.4%)、「女性の管理職を増やす」(26.9%)が上位に挙がった。
一方で「女性の活躍を推進する取り組みは行われていない」とした人は31.6%に上り、目立った取り組みができていない企業も多いことが分かった。
調査は8月10〜21日にインターネットで実施。同社が運営する転職サイト「女の転職type」の会員405人から回答を得た。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
女性社員が茶くみや菓子配り 「ジェンダー格差」の背景にひそむ日本社会の「同調圧力」とは?
女性社員にのみ朝晩の掃除をさせる。飲み会で上司の空いたグラスに気付かないと「女子力がない」と評価される――。2020年代の日本に存在する、職場のジェンダー格差のほんの一例だ。性別による仕事の押し付け、不当な評価。誰もが「おかしい」と感じているのに状況が一向に改善されないのは、一体なぜなのか。背景を探ると、日本社会に特有の「同調圧力」の正体が浮かび上がる。
「もっと働け」と強いる“女性活躍推進”のむなしさ 男女の格差なぜなくならない?
海外と比較しても大きいと言われる日本の男女間の賃金格差。女性活躍をさらに推進することで解決できる問題なのか?
女性管理職、初の「1割超え」 大企業と中小企業の“差”は?
帝国データバンクは全国の1万1282社を対象に、「女性登用」に対する企業の見解について調査した。政府が、女性管理職の割合が30%となることを目標に掲げる中、企業はどのような課題を抱えているのか。





