ドンキ、サンダルのように履けるスニーカーが好調 「誰かの悩みを解決する靴」を開発した背景(2/3 ページ)
ドン・キホーテが2023年11月に発売した、サンダルのように立ったまま履けるスニーカー「Spash(スパッシュ)」シリーズの売り上げが好調だ。商品の特徴や開発した背景について取材した。
客層を広げる狙い
なぜ、ドンキはスパッシュを開発したのか。月足氏は「靴売り場で店員が、お客さまから『靴ベラを貸してほしい』と声をかけられることがよくあります(もちろん、店には靴ベラを常備している)。靴ベラが不要な靴をつくれないだろうかと考えたことがきっかけです」と説明する。
これまでドンキでは若者向けの靴を主に開発してきたが、客層を広げたいという狙いもあった。ニューファミリー層や中高年層に、手を使わずに履ける靴のニーズは高いと考えたという。
2023年11月発売のスパッシュを購入した属性を分析すると、「40代男性」が最も多く「30代男性」「20代男性」「50代男性」が続く。この結果について月足氏は「年齢を重ねるとさまざまな体の部分に不調が出てきます。『楽』に履きたいという潜在的なニーズを掘り起こせたのではないでしょうか」と分析する。
靴の軽さも支持されたポイントのようだ。月足氏によると、一般的なビジネスシューズは400〜500グラム、軽量スニーカーは250〜300グラムだが、スパッシュのスニーカータイプは約200グラムだ(いずれも片足の重量)。
男性向けに特化して価格を維持
2023年11月に発売したスパッシュは23〜28センチのサイズを用意していたが、リニューアル時には25〜28センチに絞り込んだ。23〜24センチは主に女性向けだったが、男性向けに特化した。女性向けが思ったほど伸びなかったので、アイテム数を絞り込み、コスト削減を図った。
リニューアルした商品は2024年9月1日以降に店頭販売を開始したが、初速は好調だという。レディースサイズがなくなったにもかかわらず、シリーズ全体の売り上げは伸びているのだとか。女性向けを泣く泣く諦めたものの、それを補って余りある成果が出ている。
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