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実写化で「炎上しない」条件 呪術廻戦のマーケ事例から考える(2/3 ページ)

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SNSは毒にも薬にもなる

 SNSが実写化の成否に与える影響もまた、無視できないほど大きい。ファンの期待や不満はSNSを通じて瞬時に拡散され、炎上を引き起こすリスクがある。しかし、このリスクを回避し、むしろSNSを活用することでファンの期待をコントロールし、成功へと導くことも可能だ。

 舞台版呪術廻戦のケースでは、SNSを通じた透明性のあるプロモーション戦略も奏功した。キャスティングやビジュアルを段階的に公開し、ファンの反応を見ながら期待値を調整したと考えられ、炎上リスクの軽減に寄与したとみられる。こうしてファンの声を反映させることが、キャスティングの適正さや作品への忠実性を示すことにつながる。

コスプレ文化の発達で「目が肥えた」ファンたち

 加えて、近年は「コスプレ文化」が発達・普及し、コスプレを鑑賞する人が増えていることも考慮すべきだ。ファンが期待する高い再現度は、コスプレイヤーたちが日常的に示しているのだ。

 呪術廻戦の人気キャラクター五条悟に関しては、コスプレイヤーのウィル氏がその再現度の高さで注目を集めている。ウィル氏はSNSで54.2万人のフォロワーを持ち、五条悟を忠実に再現している点がファンに評価されている。

 こうした背景からファンはある意味で目が肥えており、実写化においてもビジュアル面の高い再現度を期待するようになった。プロモーションにおいては、コスプレイヤーが持つSNSでの影響力を活用することも一つの戦略だろう。

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