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なぜホームセンターは「大都市の駅前」に進出するのか カインズやコーナンが“おしゃれ店舗”に変身するワケ:スピン経済の歩き方(7/8 ページ)
人口減少が深刻な日本だが、ホームセンターの数は増えている。プレーヤーが増える中、各社が生き残る道は……。
「個店経営」を掲げる無印良品
これまでは大都市の商業施設や繁華街が主戦場だったが、2021年4月に発表した中期経営計画の骨子で、地方や郊外のスーパー隣接地に積極的に出店していくことを表明した。
この背景には、良品計画が掲げている「個店経営」がある。画一的なチェーンストア経営ではなく、地域の課題に商品とサービスで貢献していくことをビジョンとしているのだ。
分かりやすいのは、長野県だ。2021年に塩尻市での独立店舗を皮切りに2024年6月には長野市、茅野市などに新店舗をオープン。いずれも駅ビルや商業施設の中ではなく、幹線道路沿いの広い駐車場を持つ店舗だ。
郊外のホームセンターが駅ビルや商業施設を目指す中、なぜ無印は「逆」をいくのか。この出店を扱った長野放送のVTRの中で、良品計画 営業本部信越事業部長はこう述べている。
「車社会の生活圏では、(駐車場がある)立地でないと車でアクセスができないのでこういった土地を選択した。地域の中で愛されるスーパーの真横に位置することで、より日常生活の役に立てるお店になるのではないか」(2024年6月28日 長野放送)
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