全てが安いわけではないのに、「コストコ」はなぜお客の心をつかむのか 商品以外の魅力に迫る(1/3 ページ)
コストコが近年出店攻勢を強めている。会員制で多くの消費者の心をつかむスーパーとして知られているが、そもそもどんな点が人気なのか。店舗を訪問して確かめる。
会員制スーパー「コストコ」の開店が相次いでいる。2023年8月の大阪・門真倉庫店に続き、今夏は滋賀と沖縄に2店舗が開店した。秋には福岡に、36店舗目となる小郡倉庫店をオープンする予定である。
品ぞろえや店舗の楽しさを評価する声が多く、根強いファンを獲得しているのがコストコの特徴だ。通常のスーパーもコストコ製品を扱うコーナーを設けるようになり、いわゆる「再販店」も現れている。消費者を魅了する理由はどこにあるのか。実際に店舗を訪れ、その理由を探った。
飛行機の格納庫を使った店舗がルーツ
コストコは1976年に米カリフォルニア州で開店した小売店「Price Club」をルーツとする。飛行機の格納庫を活用した店舗であり、現在の店舗デザインの原型となった。1983年に米ワシントン州で「Costco」の1号店がオープンし、1993年にPrice Clubと合併する形で「プライスコストコ」が誕生、1999年に日本へ上陸した。当初の10年間は年に1店舗ペースで出店していたが、それ以降はペースを加速させ、現在では国内で35店舗を展開している。
店舗は誰でも入れるわけではない。入店するには個人または法人会員になる必要があり、個人会員のランクには「ゴールドスター」(年会費4840円)と「エグゼクティブ・ゴールドスター」(同9900円)の2種類がある。上位ランクは最大2%の還元を受けられるほか、特別クーポンを配布している。入店時に顔写真の載った会員証を掲示するシステムで、同伴者は2人まで入店可能だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
なぜアジア人は「コストコ愛」が強いのか マニアを生むビジネスモデル
日本で大人気のコストコ。2024年11月には国内36店舗目がオープンする。米国では、アジア系の“コストコ愛”の強さが話題になっている。実際に米国でもアジア系の来店客が多く、日本や韓国などへの進出も盛んだ。
コストコさん、うちにも来て! 激化する誘致合戦 出店ラッシュはいつまで続く?
各地の自治体が、熱心にコストコを誘致している。どういった背景があるのか、各市町村の担当者に聞いた。モテモテ状態はいつまで続くのか。
