電通、ラジオ広告をAIに作らせるサービス開始 最短約1時間で完成
電通は電通デジタルと共同で、AI広告コピー生成ツール「AICO2(AI Copy Writer 2)」を活用し、手軽に音声広告を制作できる「AICO AUDIO AD PROJECT(アイコ オーディオ アド プロジェクト)」を発足した。
電通は電通デジタルと共同で、AI広告コピー生成ツール「AICO2(AI Copy Writer 2)」を活用し、手軽に音声広告を制作できる「AICO AUDIO AD PROJECT(アイコ オーディオ アド プロジェクト)」を発足した。顧客企業向けにサービスを開始し、音声広告の制作にかかるコストや手間を削減。新たな広告の需要を取り込む狙いだ。
時間的、金銭的なハードルが高い音声広告 どうやって作る?
AICO2は、電通のコピーライターが培ってきた思考プロセスをAIに学習させており、キャッチコピーとして「伝えたいこと」や「商品名」などを入力すると「伝えるべきこと」「表現方法」が理由とともに表示されるもの。
AICO AUDIO AD PROJECTでは、AICO2が生成するキャッチコピーをもとに、15〜60秒程度の音声広告の原稿を作成する。その原稿をもとに、音声AIソフトでナレーション音源を作り、最短約1時間で音声広告素材を制作するワークフローを構築しているという。
番組の聴取履歴や興味・関心など、オーディエンスの特性に最適化した音声広告素材を多種類用意できるため、企業にとって作業時間やコストの削減だけでなく広告効果の向上も期待できる。
音声広告を作るには、時間的、金銭的負荷も少なくない。音声広告に興味があっても、素材制作が妨げとなり、広告出稿を断念する企業も多くある。そこで、出演者を起用しスタジオで収録する従来の制作方法に加え、広告テキストの質も担保した、手軽に制作できる選択肢を用意した。同社はAICO AUDIO AD PROJECTの推進によって、より多くの企業に音声広告の活用を促し、音声広告市場の活性化につなげていく。
電通の調査「2023年 日本の広告費」によると、コロナ禍の2020年以降、ラジオ広告は3年連続で前年を超える成長を遂げている。2023年のラジオ広告費は1139億円に達し、前年比100.9%の増加となった。
また、ラジオデジタル広告は28億円と前年比127.3%に達し、前年に引き続きPodcastをはじめとする音声メディアでのデジタル展開が高い注目を集めている。特にradikoを含むラジオデジタル広告への新規出稿数に、増加の傾向が見受けられた。
電通は、需要が高まっている音声広告の市場拡大を目指すため、まずはトライアル企業を20社募集するという。実際の広告運用における効果やフィードバックを得ることで、さらなるサービスの改善と展開を図る。
国内の電通グループは「"人間の知(=Intelligence)"と"AIの知"の掛け合わせによって、顧客企業や社会の成長に貢献していく」というAI戦略を、新ビジョン「AI For Growth」として掲げている。これは、同グループ各社が取り組むAI活用に共通する考え方であり、このビジョンを基盤に、AI関連の研究・開発・人財育成などを推進している。
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