インタビュー
なぜ、コンビニや駅で「バー」が増えているの? 参入ハードルをとことん下げた“仕組み”が面白い:「お酒の美術館」100店舗を達成(4/4 ページ)
バーの典型的なイメージを覆し、急成長を遂げているチェーンがある。創業7年で100店舗を達成した「お酒の美術館」だ。ビジネスモデルを紹介すると……。
ジャパニーズウイスキーがインバウンド客に人気
増加するインバウンド需要も積極的に取り込んでいる。訪日客が多い京都では、時間帯によってインバウンド客が9割を占める店舗もあるという。背景にはジャパニーズウイスキーブームの高まりもあり、京都の店舗では特にラインアップを充実させている。
そのほか、英語表記メニューの用意、SNSを活用した集客戦略を展開している。広告費はほぼ使わずに、SNSなどで十分にインバウンド客を呼び込めていることから、効率的なマーケティングを実践していることがうかがえる。
一方で、急速な店舗拡大に伴い、課題もある。「売り上げがいい店舗もあれば、良くない店舗もある。FC向けの教育部分は今後も力を入れていきたい」(長田氏)
対策として、バーテンダーの研修部隊による既存店舗へのフォローやスキルアップ施策、著名バーテンダーを招いた講演会などを行っているほか、SNS戦略のレクチャーなどにも注力している。
お酒の美術館は、2025年8月期に160店舗の出店を計画しており、2030年に1000店舗の目標を掲げている。1000店舗というのはただの数値的な目標ではなく、同社の理念実現のための指標だという。
「『あらゆる生活シーンにバー文化を』という理念を実現し、バーが日常生活に溶け込んだ文化とするには1000店舗規模の展開が必要不可欠」と、長田氏は事業拡大の本質を語る。今後も生活動線に紐(ひも)づいた出店戦略を継続しつつ、FCの加盟拡大を通じて、バー文化の醸成を目指していくという。
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