インタビュー
なぜ、コンビニや駅で「バー」が増えているの? 参入ハードルをとことん下げた“仕組み”が面白い:「お酒の美術館」100店舗を達成(3/4 ページ)
バーの典型的なイメージを覆し、急成長を遂げているチェーンがある。創業7年で100店舗を達成した「お酒の美術館」だ。ビジネスモデルを紹介すると……。
お酒の美術館ならではの出店戦略
出店戦略も従来の飲食の出店と一線を画す。繁華街のど真ん中ではなく、駅ナカや路面店、コンビニ併設店など、タッチポイントの多い生活動線上に店舗を展開している。その結果、バーに通う機会が少ないライト層を取り込むことに成功したようだ。
日本酒やワインといった食中酒と比較すると、ウイスキーは単体でも楽しみやすく、厨房設備や調理器具が最小限で済む。これにより、従来の飲食店では難しかった小規模スペースや特殊な立地条件下での出店を可能にした。
「『あらゆる生活シーンにバー文化を』という理念のもと、お酒の美術館はバーの裾野を広げる入門編として展開している。ライト層を増やすという目的からいえば、立地戦略がうまく合致した」(長田氏)
例えば、大阪市内にある商業施設「LINKS UMEDA」の店舗は、元々は同施設の受付だった4坪ほどのスペースをバーに転換した。「給排水は必要だが、おつまみは乾きもの中心のため調理がほぼなく、ガスを使わない。飲食は無理と思われる場所でもお酒の美術館なら営業可能」と、長田氏は強みを語る。
駅ナカへの出店もお酒の美術館の特徴だ。会社帰りに毎日1〜2杯飲んで帰る利用客も多く、生活動線上に出店する戦略が成果を上げている。短時間での利用が可能な立地と、気軽に楽しめる価格設定が、新たな飲酒習慣を生み出しているようだ。
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