インタビュー
なぜ、コンビニや駅で「バー」が増えているの? 参入ハードルをとことん下げた“仕組み”が面白い:「お酒の美術館」100店舗を達成(2/4 ページ)
バーの典型的なイメージを覆し、急成長を遂げているチェーンがある。創業7年で100店舗を達成した「お酒の美術館」だ。ビジネスモデルを紹介すると……。
7年で100店舗を達成
成長を支える大きな要因は、フランチャイズ(FC)展開だ。2024年10月現在で、100店舗のうちFCが96店舗、直営店はわずか4店舗。なぜFCを拡大できたのか。
当初は脱サラした個人や飲食未経験者でも出店できるように、初期投資を1000万円以下に抑えた。現在は物価高の影響があるものの、1400万円ほどで収まるようにしている。家賃は30万円以内で、広さは8坪以内。ワンオペが可能な運営形態で設計されている。
参入のハードルを下げた結果、異業種からFC加盟するオーナーが多いという。「お酒を扱うビジネスモデルゆえに、ロスが少なく、人材も集めやすいことが魅力になっている」(長田氏)
未経験者が多いことを踏まえ、1カ月にわたるスタート研修を用意し、ウイスキーの提供方法を中心に指導を行う。ウイスキーをメインにした業態にすることで、高度な技術を必要とするカクテルづくりよりも運営のハードルを下げている。簡素化されたオペレーションにより、短期間で必要なスキル習得、効率的な店舗運営を可能にした。
また、飲食業界でみると、物価高や人手不足が課題となっているが、これらの社会課題についても長田氏は独自の強みを挙げる。
価格面では、お酒が嗜好(しこう)品であることから、例えばラーメン店における「1000円の壁」のような心理的障壁が少なく、原価の上昇を価格に反映しやすいという。人材確保の面でも、バーテンダーが人気職種であることから応募が多いと語る。
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