おにぎりの「ぼんご」が認めた「こんが」1日2500個を販売、それでも「なかなか儲からない」理由は?:利益よりも伝えたいこと(2/5 ページ)
「おにぎりブーム」の火付け役と言われる大塚の「おにぎりぼんご」。同店が唯一、ぼんご直伝として出店を認めたのが「おにぎり こんが」だ。羽田空港の店舗では、ぼんごよりも多い1日2000〜2500個を販売する。どのように人気を獲得してきたのか。
ぼんごのおにぎりを広めたくて起業
合田氏は、おにぎり事業を営む以前、飲食店のオーナーと関わる仕事をしていた。その中で、2020年にぼんごの右近氏と出会う機会があり、彼女の人生観に魅了されて弟子入りを決めたという。
「右近さんは40年にわたっておにぎり一筋で商売に向き合い続けて、おにぎりブームを生み出されています。さまざまな苦労を経験されて、その苦労に裏打ちされた上辺(うわべ)の言葉ではない人生観に感動して、この人に付いていきたいと思いました」
右近氏は、ぼんごの創業者である右近祐(たすく)氏と24歳で結婚して、ぼんごで働き始めた。最初は皿洗いなどに従事していたが、職人が倒れたことを機におにぎりをつくるように。紆余曲折がありながらも行列のできる大人気店に育て上げた経歴を持つ。
2020年にぼんごに弟子入りした合田氏は、約1年間の修行を経て、おにぎりのつくり方や接客を学んだ。当時の右近氏のビジョンは、「おにぎり=ぼんご」の世界をつくること(現在はビジョンが変わっているが後述する)。とはいえ、ぼんごをチェーン展開する気はなかったため、合田氏は「こんが」を創業して「ぼんごのおにぎりの魅力」を広めることにしたという。
「当初は地方で出店して、ぼんごの味を地方でも食べてもらいたいと考えていましたが、『家族も一緒に地方に引っ越すのはリスクが高いので、まずは東京で出店したら?』と右近さんからアドバイスを受け、ぼんごがある大塚から都内で最も遠い蒲田で出店することにしました」
合田氏は「ぼんご監修」とうたうことを右近氏から唯一認められており、「ぼんご監修のおにぎり専門店」として「おにぎり こんが」を蒲田でスタートさせた(現在は監修ではなく、「ぼんご直伝」とうたっている)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
大塚「おにぎり ぼんご」はなぜ人気なのか 休日は6時間待ち
JR大塚駅の北口から徒歩2分、老若男女から熱烈な支持を得る、おにぎり専門店「ぼんご」。平日は2時間以上、土曜や祝日は6時間ほどの待ち時間が発生する。何が人々をここまで魅了するのか。
広がる「おにぎりブーム」 国内Z世代にとどまらず、海外でも人気を博す納得の理由
国内では若年層、そしてグルテンフリーな点から海外でも人気が広がる「おにぎり」。そのけん引役ともいえる、大塚・ぼんごの代表へインタビューするとともに、各社の取り組みをまとめていく。

