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日産9000人削減の衝撃 「技術自慢の会社」ほど戦略で大コケする理由:スピン経済の歩き方(5/8 ページ)
日産自動車は、なぜここまで経営危機に陥ってしまったのか。特に中国市場が厳しい理由や、問題の本質とは――。
なぜ日産だけ3500ドルなのか
これは気前が良いとかではなく、これくらい身銭を切らないと売れないからだ。日本国内では「エクストレイル(X-TRAIL)」と呼ばれ、北米では主力モデルとして展開する「ローグ(ROGUE)」の売れ行きが芳しくないのだ。
では、なぜ振るわないのかというと、このローグは「ガソリン車モデル」しかないことが大きい。
実は今、米国ではEVが失速して、HV(ハイブリッド車)やPHV(プラグインハイブリッド車)が人気なのだが、日産にはここをカバーするモデルがない。
「いやいや、日産にはe-POWERという独自のハイブリッドシステムがあるじゃないか」という声が聞こえてきそうだが、実はこの「独自技術」が首を絞めている。e-POWERはエンジンを発電のみに使い、起こした電力でモーターを駆動させて走るシリーズ方式というものだが、この方式が北米のユーザーには全く響いていないのだ。
米国で運転した人は分かるだろうが、広大な国土なのであちらのハイウェイは、日本の高速道路よりも長く、しかも日本よりスピードを出す。そのような高速域で走行する際にe-POWERは、ガソリン車より燃費が悪くなる、と言われている。
一定の高速域で走る際には、エンジンを稼働して発電、そして電動モーターを動かすよりも、シンプルにエンジンで車を走らせたほうが、ガソリンが少なくて済むというのだ。
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