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G-SHOCKの次はサ時計? サウナーを狙った「12分計」誕生の舞台裏火曜日に「へえ」な話(1/3 ページ)

カシオ計算機がちょっとユニークな時計を開発した。商品名は「サ時計」。サウナ専用の腕時計になるが、どのような特徴があるのか。担当者を取材したところ……。

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 サウナを利用する人が増えていることを受けて、さまざまな商品が登場している。髪のダメージを防止するハット、熱さを軽減するマット、くもり止め加工を施したメガネなど。ほかにも、さまざまなアイテムが登場している中で、サウナ専用の腕時計が登場した。


カシオ計算機がサウナ専用の腕時計を発売(出典:カシオ計算機、以下同)

 商品名は「サ時計」(オリジナルモデル:9800円、サウナイキタイモデル:1万1300円)。カシオ計算機が開発した製品で、専用ボタンを押すと長針が12分で一周する。なぜ「12分」なのか。ご存じの人も多いと思うが、10年ほど前から「サウナー」と呼ばれている愛好家がじわじわ増え、心身をリラックスさせることを「ととのう」と表現して話題になった。

 「ととのう」ために、サウナで体を温める→冷水で体を冷やす→外気浴などで休憩する。このサイクルを繰り返す際、のぼせや冷えすぎを防ぐために、適切な時間を測ることが重要になる。その目安として「12分」に設定したという(※)。

(※)カシオによると、個人の体調や環境により異なるが健康な成人が行う1回の時間はサウナ5〜12分・冷水1〜2分・休憩7分以上が目安だという。

 カシオの時計といえば、G-SHOCK、OCEANUS、PRO TREKなど人気商品を展開しているが、なぜサウナ専用のアイテムを開発したのか。開発のきっかけは、3年ほど前にさかのぼる。当時、コロナ禍ということもあって、サウナの利用が減少していたものの、やがてお客は戻って来る。そのときのために、サウナ用の時計を用意するのはどうかと考えた。


カシオオリジナルモデル

カシオオリジナルモデル

サウナイキタイモデル

 開発リーダーの山田真司さんは、サウナーから不満の声を聞いていた。「サウナの中は熱いので、腕時計やスマートフォンを持ち込むことが難しい」と。実際、いくつかのサウナを見て回ると、時計をしていない人が目立った。カシオの製品を身に付けている人もいたが、同社は基本的にサウナ利用中の時計着用を推奨していない。例えば、G-SHOCKは衝撃や振動に強いものの、高温や高湿に強い構造をしているわけではないからだ。

 また、多くの施設ではサウナ室に12分計を設置しているが、メガネを持ち込めないので「見えにくい」という声も。脱衣所以外に時計が設置されていないところでは、「いまの時間が分からない」「利用時間が過ぎてしまわないか不安になる」という人もいた。こうした声を受け、「サウナ専用の腕時計はニーズがあるのではないか」(山田さん)と考えた。

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