2015年7月27日以前の記事
検索
コラム

G-SHOCKの次はサ時計? サウナーを狙った「12分計」誕生の舞台裏火曜日に「へえ」な話(2/3 ページ)

カシオ計算機がちょっとユニークな時計を開発した。商品名は「サ時計」。サウナ専用の腕時計になるが、どのような特徴があるのか。担当者を取材したところ……。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

アナログで、必要最低限の機能に絞ったほうがいい

 山田さんは、上司に「サウナ用の時計を開発したい」という旨を伝えたところ、GOサインが出たので、さっそく開発に着手した。当初は、若者に人気のリーズナブルな時計、いわゆる“チープカシオ”のバンドを取り外し、代わりに銭湯などでよく見かける「くるくるゴム付きのロッカーキー」を装着した。

 試作品の見た目が斬新だったこともあって、周囲の評価はよかったものの、さすがにこのまま販売するのは難しい。温浴施設とのタイアップ商品であればアリかもしれないが、一般販売は厳しいという指摘が多かった。

 次に考えたのは、デジタル時計である。時計と12分計を表示して、バンドは通常タイプのモノを装着した。この試作品が完成したあとに、消費者調査を実施する。デジタルがいいか、アナログがいいか。機能は多いほうがいいか、少ないほうがいいか。たくさんの人に話を聞いたところ、「アナログで、必要最低限の機能に絞ったほうがいい」という意見が多かった。

 この結果を受け、アナログ仕様の表示にして、機能もシンプルに。バンドは通常のモノを装着していたが、「サウナを楽しむことや着脱のしやすさを考えて、銭湯などでよく見かけるカールバンド(くるくるゴム)を使いました」(山田さん)

 サ時計の開発にあたって、G-SHOCKなどで培った技術を応用したわけだが、苦労した点もある。「高温と高湿に対応しなければいけない」ことだ。サウナの中で使えるようにするには、どうすればいいのか。「熱さ」については、耐熱電池を採用することによって、解決した(※)。

(※)設定温度100℃以下のサウナ(腕に着用した状態で15分以内の使用)を想定。

 一方の高湿についてはどうか。「通常の樹脂を使うと、湿気がケースの中に入ってくるんですよね。透湿性の低い樹脂を採用することで、ケース内の曇りを抑えました」(山田さん)。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る