中途入社者の退職が最も多い時期は「入社後1カ月以上3カ月未満」――人材会社エン・ジャパンの調査でこんな事実が分かった。定着率が高い企業の特徴には、どのような傾向があるのだろうか。
中途入社者の退職、最も少ないのは「商社」
直近3年間で、中途入社者(正社員)を採用した企業391社のうち、定着率が「100%」「80〜90%」「60〜79%」となっている企業は、それぞれ24%だった。7割以上の企業が、「60%以上」の定着率を達成していることが分かる。
業種別で「100%」の割合が最も高いのは「商社」(48%)で、「メーカー(機械・電気・電子)」(32%)、「IT・通信・インターネット」(30%)が続いた。エン・ジャパンは「商社は福利厚生の充実が特徴で、中途入社者にも明確なキャリアパスが提供されてている点が、就業意欲を高める要因」と分析している。
最も低い業種は「コンサルティング」(11%)で、「運輸・物流・倉庫」(16%)、「メーカー(素材・食品・医薬品他)」(21%)が続いている。エン・ジャパンは「コンサルティング業界は労働時間や成果主義の厳しさが課題で、転職を前提に経験を積む目的で入社する人も多い」とコメントしている。
退職が多い時期は「1カ月以上3カ月未満」
中途入社者が入社した後、退職につながりやすい時期は「3カ月未満」が26%と最多に。「1カ月未満」が8%、「6カ月未満」が13%、「1年未満」が22%、「2年未満」が17%、「3年未満」が8%、「3年目以降」が5%となっている。
業種別で「1カ月未満」「3カ月未満」の割合が最も高かったのは「運輸・物流・倉庫」(1カ月未満:22%、3カ月未満:26%)となっている。
どんな取り組みを実施している?
中途入社者の定着率を高めるために、現在取り組んでいることは「入社前の社内見学や社員面談などギャップ対策」(47%)が最多に。「直属の上司によるフォローアップ面談の実施」(43%)、「研修やスキルアップ機会の提供」(40%)が続いた。
調査は10月22日〜11月13日、エン・ジャパンが運営する求人支援サービス「engage」を利用している企業を対象に実施。451社から回答を得た。
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