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次に売れるクルマは何か? どん底の日産が復活するための道筋:高根英幸 「クルマのミライ」(2/5 ページ)
EVの販売が伸び悩む中、日本国内ではミニバンやSUVが人気だ。特に、使い勝手の良さによって、シエンタなどのライトミニバンの人気が根強い。不調の日産は販売車種の再構築が必要だろう。判断力とスピードが求められる。
ライトミニバンの根強い需要が目立つ
プリウスはハイブリッドカーの祖であるだけでなく、現在はスポーティーな近未来のクルマというイメージを押し出している。開発陣の狙いは見事に的中したようで、今も存在感を示している。
日産のセレナやトヨタのノア/ヴォクシーといったMサイズミニバンが最も使い勝手のいいクルマと感じているユーザーも多いようだ。ホンダがステップワゴンで健闘するが、その他のメーカーがこのカテゴリーで手薄なのは、もはや寡占状態にあると判断しているからだろうか。
トヨタのアクアはヤリス・ハイブリッドと食い合っている部分はあるにせよ、ノア/ヴォクシーの方が2倍の売れ行きを示しているのは、やはり駐車場の大きさと居住空間のバランスを考えると、このあたりが便利で使い勝手もいいのだろう。
それ以上に注目すべきは、トヨタのシエンタ、ホンダのフリードといったコンパクトなミニバンのかなりの人気ぶりだ。全長4.4メートル未満で全幅1.7メートル未満というサイズながら、最大で7人乗車を可能としており、5人乗車を選べば広い荷室が手に入る。都市部のユーザーには重宝するクルマなのだろう。
ルーミーやライズも売れているが、シエンタは単月ではヤリスを上回ることもある人気ぶりだ。やはりすごい。
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