インタビュー
重いランドセルにさようなら 布製モデルが選ばれる理由と急成長の裏側(5/5 ページ)
通学時の重たい荷物が原因で体に不調を感じる小学生が増えている中、「軽く感じられる」と評判の布製ランドセルがある。スクール水着を製造・販売するフットマークが開発した「ラクサックジュニア」だ。
新たな選択肢として定着へ
小学生の通学カバンにおける割合は、従来の革製ランドセルが8割程度を占めているが、布製ランドセルの利用率も少しずつ増えてきた。さらに、革製ランドセルの平均価格が5万円台に対し、布製ランドセルは1万〜2万円台で展開されるなど、価格面でも選択肢は広がった。
一方で、参入企業が増えたことで、何を基準に選べばいいのか迷うという声もある。最近は、小学校入学1カ月でランドセルからラクサックに買い替えたいといった相談が寄せられることもあるそうだ。
今後の課題は、保護者に子どもの体への負担を考慮した通学カバンの選び方をいかに提案していくかだ。「これまでのランドセル選びでは、色やブランド、金額が主な基準とされてきた。私たちは子どもの体への負担という新しい選択基準を提案していきたい」(佐野さん)
子どもたちは今も重い荷物を持ち歩かざるを得ない状況が続いている。佐野さんは「メーカーとしてできることは、製品を通じて社会課題を提起し続けること」と語る。布製ランドセルという選択肢が、最終的には保護者の意識を変え、行政の仕組みも変えていく。そんな期待を込めて、同社は健康的な重さでの通学の実現を目指す。
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