単なる「ブーム」ではない カプセルトイ専門店が爆増する背景にある「コスパ」の正体(2/6 ページ)
第5次ブームを迎え、業界全体が急成長している「カプセルトイ」。このブームを支えているのが「カプセルトイ専門店」だ。爆増するカプセルトイ専門店は、なぜそこまで人気があるのか? 今後もこの勢いは続くのか?
かつては「ついで買い」だったカプセルトイ
カプセルトイが日本にやってきたのは1965年。1970年代ぐらいから一般に広まり始め、1980年代に「キン肉マン消しゴム」が世間を席捲(せっけん)する中で、第1次ブームが起こる。1990年代には「ウルトラマン」や「ゴジラ」などのカプセルトイが流行し、第2次ブームも発生。その背景には、同じ機械でも設定を変えれば価格を変えられる筐体(きょうたい)の進化もあったという。
こうした筐体の進化もあり、さまざまな場所への設置が可能となった2000年代に、カプセルトイが進出したのがスーパーだ。全国的に設置が進み、これが第3次ブームを引き起こす。
ブームが一段落した頃、2011年の東日本大震災後にSNSが拡大する中で、カプセルトイの商品をSNSにアップすることが流行。「コップのフチ子」シリーズをはじめとする、ちょっと変わったカプセルトイが市場を席巻する。ただ、この段階ではまだカプセルトイは「店の端にあるもの」だった。
2015年にマイボイスコムが約1万人を対象に行ったアンケートでは、過去1年以内にカプセルトイを購入したことのある人のうち、42.4%が「スーパー」で購入したと回答。スーパー以外では、ショッピングセンターや商店街、おもちゃ屋、家電量販店での購入が多く、基本的には何か別の目的で来た場所で「ついで買い」することが、カプセルトイの主な購入方法だった。
このように、ある意味では「スキマ産業」だったカプセルトイだが、その専門店がここまで人気を呼んでいるのは、それが「ついで買い」だけでなく、「目的を持って買うもの」に変化したことを表しているだろう。そしてその変化の象徴が「カプセルトイ専門店」だといえる。なぜカプセルトイの専門店は増えたのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「イオンでウォーキングする」文化は流行るのか? 実際に体験して「厳しそう」だと感じたワケ
ウォーキングする場所といえば、公園や遊歩道を思い浮かべる人が多いだろう。こうした中、ユニークな場所でウォーキングすることを推奨する動きがある。イオンモールの中をウォーキングする、その名も「イオンモールウォーキング」だ。
危険運転やマナー違反だけではない LUUPが「悪目立ちする」存在になった2つの理由
電動マイクロモビリティのシェアリングサービス「LUUP」。便利な一方で、危険運転やマナー違反に対する厳しい意見も少なくない。なぜLUUPは、シェアモビリティにおいて「悪目立ち」している状況になっているのだろうか。
なぜ、イオンモール内で「ウォーキング」を企画? つい上がりたくなるような階段も 狙いを聞く
2017年度から、イオンモールの施設内でウォーキングを楽しめる企画が実施されている。その背景について担当者に聞いた。
涼しい店舗を猛暑の「避難所」に イトーヨーカドーやイオン、指定施設を開放
夏の猛暑が迫るなか、大手小売り各社は自社の店舗に「クーリングシェルター」としての機能を持たせはじめている。消費者に涼める場所を提供しつつ、イベントやグッズ展開で「暑さ対策需要」を喚起する姿勢だ。


