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吉野家はなぜ、「カレー」と「から揚げ」の専門店を始めるのか?:マーケティング戦略を考察する(1/4 ページ)
牛丼一筋のイメージが強い吉野家HDは、なぜ新業態に進出したのか。
著者プロフィール:金森努(かなもり・つとむ)
有限会社金森マーケティング事務所 マーケティングコンサルタント・講師
金沢工業大学KIT虎ノ門大学院、グロービス経営大学院大学の客員准教授を歴任。
2005年より青山学院大学経済学部非常勤講師。
吉野家ホールディングスは、12月に新業態であるカレー専門店「もう〜とりこ」と、から揚げ専門店「でいから」をオープンした。これは2023年2月に開業したカルビ丼とスンドゥブの専門店「かるびのとりこ」に続く新業態の店舗である。
カレー専門店は、吉野家が強みとする牛肉を活用した独自メニューを展開し、香り高いスパイスや特製ソースによる風味豊かな一皿を提供する見込みである。
また、から揚げ専門店では、外はカリッと中はジューシーな鶏肉のうま味を引き出したメニューを取りそろえ、家庭では味わえない専門店クオリティーで顧客をひきつける意図がある。
いずれの店舗もテークアウトやデリバリー対応に力を入れ、現代の消費行動の変化に柔軟に応える姿勢を打ち出している。
牛丼一筋のイメージが強い吉野家HDは、なぜ新業態に進出したのか。そこに隠された意図や戦略を読み解いてみたい。
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