ドンキ「あんだく溺れ天津飯」が爆売れ あんが“容器の限界”超えてしまい、開発時は難航:プロダクトInsights
ドンキで「あんだく溺れ天津飯」が売れている。“偏愛”に振り切った商品だからこそ、開発時は苦労したという。
プロダクトInsights
日々リリースされる新しい商品やサービス。その商品やサービスには、必ず企業側の思惑や狙い、生活者のニーズ、時代の空気感が反映されている。本シリーズでは、これらの「Insight」を考察していく。
パン・パシフィック・インターナショナル・ホールディングス(PPIH)が運営するドン・キホーテで、PB総菜「あんだく溺れ天津飯」が売れている。PBブランド「偏愛めし」の商品で、同シリーズを立ち上げた2023年11月から販売している。2024年9月末時点で累計販売数40万食を突破しており、単月売上金額ランキングにおいても常に上位3位以内に位置しているという。
あんだく溺れ天津飯は、天津飯にしょうゆベースのだしとオイスターソース香る餡(あん)をかけた商品。当時商品開発を担当した梶間慧(さとし)氏によると、「容器に入る限界ギリギリ」まで餡をかけることにこだわったという。価格は430円。
開発のきっかけは梶間氏の個人的な経験から。天津飯を食べていると先に餡がなくなり、最後は白飯だけで悲しい気持ちになったという。そこで「天津飯が溺れるほど餡がかかっていれば」と思い、商品開発に至った。
開発時は商品の味付け以上に容器の設計に苦労したという。容器の限界まで餡を入れたことで、レンジであたためた時中まであたたまりにくく、中まであたためようとすると今度は容器が耐えきれなくなるなど、試行錯誤を重ねた。発売後も、消費者の声を集める同社サービス「マジボイス」からの意見を基に、商品パッケージの改良を行った。
偏愛めしは「みんなの75点より、誰かの120点」をコンセプトにしたドンキの弁当・総菜ブランド。中食需要の増加を踏まえ、他で買えない商品開発に注力。食への“偏愛”に振り切った商品を展開している。
PPIHの2024年6月期決算概況によると、PB/OEM部門の売り上げは2461億円(前期比482億円増)、構成比は19.3%(前期比2ポイント増)と前年を上回る。今後もノンブランド商品からのスイッチングに注力し、2027年6月期時点で売上高5000億円に到達させることを計画する。
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