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AI検索、AIエージェント……2024年「生成AIトピック」を総ざらい 25年はどう進化する?その悩み、生成AIが解決【番外編】(2/3 ページ)

2024年の生成AIをめぐる話題から、今年を象徴し、2025年につながる重要な鍵となる5つのトピックについて振り返り、来年以降の進化を予測した。

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AI検索ツール――Perplexityの競合が続々

 従来のWeb検索の代用として使うことを想定したAI検索ツールの進化も2024年の大きなトピックだろう。検索に特化したAIツールとしては、Perplexityが従来からサービスを提供してきたが、その競合となるようなツールが続々と登場した。

 6月にベータ版の提供を開始した「Genspark」は、検索結果の出力後にファクトチェックを行う機能などを備え、詳細なリサーチに強みをもつ。また、日本発の「Felo」は、リサーチ結果をもとにスライドを生成できる機能が用意されているなど、先行サービスと差別化できる特徴を備えている。

 そしてChatGPTも、10月末に検索機能を刷新。当初はやや使いづらい面もあったが、リリースからわずか1カ月半後の12月にはユーザーの声を反映した機能のアップデートが行われた。


ChatGPTの新しい検索機能は、ユーザーの声を受けて公式サイトの優先表示やマップ対応などの改善が短期間で実施された

 Googleは、検索結果の上部にAI要約を表示する「AI Overviews」が精度の低さで不評を買うなど、検索へのAI活用の面では遅れをとっていたが、12月になってWebの情報を調べてレポートとしてまとめる「Deep Research」をリリース。詳細なリサーチに使う位置づけのものとなるためGoogle検索がそのまま置き換えられることはなさそうだが、情報源として引用するサイトの数が多く、信憑(しんぴょう)性の高いサイトをしっかり引用してくる印象だ。

 Webで調べものをするときに使えるツールの選択肢が一気に広がったことで、情報収集のあり方が今後大きく変わっていきそうだ。

音声対話型AI――AIとのつき合い方が変わる

 テキストに加えて画像や音声にも対応できるマルチモーダル化も今年のトレンド。なかでも音声による対話機能の進化は、日常でのAIとのつき合い方を変えていきそうだ。


スムーズな会話のできる「高度な音声モード」には、12月に待望の画像認識機能も搭載された

 5月にOpenAIがデモを公開した「高度な音声モード」は、タイムラグの少ないスムーズな受け答えで大きな注目を集めた。夏頃から順次提供が開始され、現在は無料ユーザーも利用可能になっている。さらに12月には、カメラの映像について会話できる機能の提供も始まった。

 Geminiも、同様に音声で会話できる「Gemini Live」の提供をスマホアプリ向けに開始。日本では10月から利用可能になっている。こちらもタイムラグの少ないスムーズな会話が可能だ。

 そして、これらの音声機能は、スマホアシスタントとの統合も進められている。Androidでは今秋から、従来のGoogleアシスタントに代わってGeminiを選べるようになった。また、iPhoneでは、Siriに質問をしたときに内容に応じてChatGPTを使って回答する機能が英語ユーザー向けに提供開始されている。

 テキストを入力するのが億劫(おっくう)でも、話しかけるだけなら気軽に利用できる。入力に苦手意識をもつシニア層も、従来の音声アシスタントと同じ感覚で使えるサービスなら自然と活用するようになるだろう。音声対話機能は、生成AIのユーザー層を広げることに貢献しそうだ。

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