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なぜ経営難に陥る「神社」が増えたのか? 神社本庁システムの“限界”に迫るスピン経済の歩き方(3/7 ページ)

神社の数が年々減っている。背景には神社本庁を本部としたフランチャイズシステムに限界があるように見えるが、どういうことかというと……。

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神社にまつわるお金の流れ

 まず大きいのは、「神宮大麻(じんぐうたいま)」の売り上げだ。

 神宮大麻とは、分かりやすくいえば、伊勢神宮の神札(おふだ)のこと。被包括神社はこれを「委託販売」する立場で、販売ノルマが課せられている。宗教業界紙によると、2023年に「神宮大麻」は803万8452体も頒布(はんぷ:配ること)されているので、1体800円とすると約64億3076万円の売り上げになる。

 それを一時的に全て神社本庁が吸い上げて、伊勢神宮へ納められる。そして、その中から50%が交付金という形で神社本庁に戻され、全国の神社にも分配されるといった流れだ。


納付金を神社本庁から求められる(画像はイメージ)

 ただ、「上納金」はそれだけではない。被包括神社は氏子の数や、参拝客数に見合った納付金を神社本庁から求められる。また、神職の数や階級に「神職賦課金」という会費も払わなくてはいけない。

 ただでさえ参拝客や祈祷料だけでは経営が難しい中で、このような形で「加盟料」を徴収されたら経営が苦しくなる神社が多くなるのも当然だろう。


伊勢神宮の参拝客でにぎわうおはらい町・おかげ横丁(出典:ゲッティイメージズ)

 こういう問題が顕在化してくると、フランチャイズビジネスではFC本部への「反乱」が起きるのが常だ。

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