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動画生成AI「Sora」でプロモーション動画を制作してみた 自治体での活用法は?(2/3 ページ)

今回は、自治体のプロモーション動画制作などにも応用できそうなAIによる動画生成を活用した事例を紹介する。

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Soraでプロモーション動画を制作してみた 手順を紹介

 この機会に私もSoraを試してみようと、紅白歌合戦や箱根駅伝を見ながら、私の会社で提供しているサービス「プロキュアテック」の1分間のプロモーション動画を制作しました。この動画は、1月末に仙台で開催される「自治体DXフォーラム」の会場で上映するためのものです。

筆者が制作したプロモーション動画

 筆者が体験した動画制作の手順を紹介します。

 ちなみに筆者の動画編集のスキルは、自分で動画研修の教材を作れる程度(画像を切り貼りできる程度)です。編集で使っているソフトウェアも、MacBookに標準でついているiMovieです。専門のツールは使っていません。

1. BGM選びからスタート

 まずはBGMを決定しました。iMovieに初期設定で用意されている50秒のBGMを選択。1分以内という時間制限に収めるため、BGMの長さに合わせた動画構成を考えました。完全にオリジナルを目指して、この部分もAIに委ねるのならば、音楽生成AI「SunoAI」などのツールを使ってもよいかもしれません。

2. Soraで動画生成を開始

 全く予備知識なしで始めたので、BGMの雰囲気に合う映像を想像しながら、最初におそるおそる次のようなプロンプトを入力してみました。

プロンプト

「全速力で走る日本人のスーツ姿の若い男。背景は都会の街並み。」

 こうして生成されたのが次のような動画でした。


全速力で走る日本人のスーツ姿の若い男。背景は都会の街並み

 このようにSoraで生成した動画をダウンロードして、iMovieのタイムライン上に配置しながら編集を進めました。

 年末年始の期間は、生成できる動画の長さが最大5秒となっていたため、複数の短い動画をつなぎ合わせて、イメージを膨らませながら最終的に1分間の映像を完成させる形となりました。

3. プロンプトの工夫と試行錯誤

 当初は、生成した動画のシーンごとに明るさや色調が異なり、一貫性のない仕上がりになってしまいました。そこで、以下の工夫を行うことで、品質を向上させました。

  • 詳細なプロンプトの記述:「昼間のオフィス」「雨の日の屋外」「快晴の街並み」といった具体的な場面設定を加え、シーンごとの統一感を持たせる
  • 同時生成する動画数を増やす:1回の生成で4本の動画を出力し、その中から最も適したものを選定。同じ人物のように見えるシーンはカットを切り替えながらなるべく採用する

昼間。スーツ姿の若い日本人男性がスカイダイビングで降下している様子

4. 音声と字幕の挿入

 今回は、登場人物が話すセリフもAIを使って生成しました。「にじボイス」というオンラインサービスを活用し、イメージにあった声質のAIにあえて日本語ではない言葉を喋しゃべらせることにしました。

 どの国の言語でもよかったのですが、この段階で動画全体のイメージも固まってきたので、東欧の言語の中でポーランド語を選びました。

 私はポーランド語を知りません。以前、ポーランド映画を観たことがあり、その時の言語の響きと動画のイメージがマッチしていたというだけです。にじボイスでポーランド語をしゃべらせることはできないので、ChatGPTを使いました。

プロンプト

「こんなはずじゃなかった」

上記の台詞をポーランド語に翻訳して、日本人が話せるようにカタカナで表記してください。


にじボイスでセリフをしゃべらせる

 ここで出てきたカタカナをにじボイスに入力し、スピードを調整しながら音声データとして取得する、という作業を行っています。したがって、実際はかなり怪しいポーランド語になっているはずです。

 ちなみに、にじボイスもこのような使われ方をするとは想定していないのでしょうか、多少複雑なセリフはうまく出力できませんでした。

 その時は、セリフを区切りながら出力させ、編集のときにつなぐようにしました。また、必要に応じて「AudioMass」というオンラインサービスで音声にエコーや歪みを加えることで、臨場感を演出しました。

 こんな感じで動画や音声の素材を組み合わせて、年末年始の慌ただしい中、3日間ほどで完成させることができました。

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