自宅がバーチャル大自然に? アサヒ、“没入型”一人飲みアプリ開発:プロダクトInsights
アサヒビールとOnePlanetは、新しい形で“ひとり家飲み”体験を味わえるアプリ「Vision Brew Journey」を開発した。アプリの特徴は……。
プロダクトInsights
日々リリースされる新しい商品やサービスたち。その商品やサービスには、必ず企業側の思惑や狙い、生活者のニーズ、時代の空気感が反映されている。本シリーズでは、これらの「Insight」を考察していく。
アサヒビール(東京都墨田区)とOnePlanet(千葉県一宮町)は、新しい形で“ひとり家飲み”体験を味わえるアプリ「Vision Brew Journey」(ビジョン ブリュー ジャーニー)を開発した。事業展開を目指し、2月7日〜11日に渋谷で開催されるイベント「NEWVIEW FEST 2024」で体験会を実施する。
Vision Brew JourneyはAR/VR技術と空間オーディオを生かしたApple Vision Pro(※)専用アプリで、「利用者が日常を忘れてリラックスしたひとときを過ごせるように設計した」(アサヒビール)という。
“ひとり家飲み”体験に没入型テクノロジーを活用することで、「家飲みのマンネリ解消や、お酒を楽しむ新たな消費者体験を提案していく」(同社)という。
Vision Brew Journeyの特徴は、「ひとり家飲み向けの部屋の環境」をカスタマイズできること。Apple Vision Proを装着し、アプリを起動すると、森の中の風景やたき火など本物のような空間を再現。観光地や非現実的な風景ではなく、「少し手が届きそうだけど実現しにくい身近な非日常」をコンセプトに選定したという。
今後は、さまざまなシチュエーションを開発する予定。「昭和レトロな居酒屋、都会の夜景や海辺のリゾート、暖炉のある部屋など、より多彩な“ひとり家飲み”空間を提案し、新しい消費体験の幅を広げていく」(同社)
本アプリは、消費者からの声を受けて開発が始まった。「ひとり家飲みは単調になりやすく、新鮮味に欠ける」といった意見を受け、アサヒビールは「ひとり飲み→特別な体験」に変える方法を模索してきた。
五感による新しい付加価値を創出できないかと考え、Apple Vision Proが提供する空間コンピューティング技術やユーザーインタラクションの可能性に着目。アサヒビールの知見と、OnePlanetのAR技術と空間ベースのUXデザインの融合によって、アプリが完成した。
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