子ども服“卒業”後も愛される理由は? ファミリアの雑貨が選ばれる秘密(4/4 ページ)
子ども服ブランドで知られるファミリアの雑貨部門が好調だ。背景と戦略を取材したところ……。
子どもを軸に、可能性を広げる
供給面に課題はあるものの、コラボ商品を中心に雑貨の売り上げは好調だ。一方で、主力の子ども服事業は横ばいが続いている。これは、子ども服業界共通の課題でもある子どもの成長に伴うサイズアウトも要因だ。そこで同社では、「卒業されない」ブランドを目指し、顧客との継続的な関係構築に向けた取り組みを進めている。
その一環として力を入れているのが、産前産後の親子向けサービス「1000days」だ。妊娠から出産後2歳の誕生日までの1000日間を対象に、マタニティセミナーの開催や育児に役立つ情報配信を通じて、早い段階でブランドとの接点を築いている。コロナ禍でも継続して実施し、現在も予約が埋まるほどの人気プログラムとなっている。
もう一つの取り組みが、大人向け市場への本格参入だ。2024年3月には大阪・ルクア イーレに、全国初のギフトショップを開設。子ども服を置かず、雑貨やギフトアイテムを中心とした売り場を展開している。
3月末には、広島駅近くに開業する新駅ビル「ミナモア」に2号店を開業する予定だ。サイズアウトで「卒業されない」ブランドを目指し、大人も使えて家族で楽しめるコンテンツの強化を進めている。
今年で創業75周年を迎える老舗は、「100年企業」に向けて歩みを進める。長年培ってきた子ども服のノウハウを生かしながら、新たな顧客層の開拓にも力を入れる。「当社の強みは子どもという点は変わらないが、ライフスタイル全般に寄り添えるブランドとして、さらに進化していきたい」と佐々木さんは語る。
子ども向けアイテムを中心に据えながら、時代のニーズに合わせて着実に可能性を広げている。
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