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突然、普通の街が観光地に! インバウンドが押し寄せる「ニッチ観光地」から考える日本観光のあり方(3/5 ページ)
インバウンド増加で、ニッチな場所が「観光地化」している。それによる観光公害が発生する中、私たちに必要な考え方とは。
ニッチ観光地が生み出す「観光公害」
こうした流れはもちろん喜ばしいことではあるが、当然ながら問題もある。昨今話題になっている「観光公害」が最たる例だ。ニッチ観光地が増えるほど、観光公害も増加する。もともと観光地として作られていないため、街側と観光客側の軋轢は強くなりがちだ。
代表的なのが、昨年大きな話題になった「富士山ローソン」だ。これは山梨県富士河口湖町にある「ローソン富士河口湖駅前店」の前に、突然多くのインバウンド観光客が集まるようになったというもの。突然そこがニッチ観光地となった理由は、雄大な富士山がローソンの屋根に乗っているように見える様子が、SNSなどで話題になったからだった。ローソンと富士山という意外な組み合わせに、面白さを感じる外国人が大勢いたというわけだ。多くの商品が整然と並ぶ日本のコンビニは外国人の間でも人気で、ある種の「日本のカルチャー」を代表するものともなっている。それと富士山の組み合わせに「日本らしさ」を感じるインバウンド観光客が集まったのだ。
それで終われば良かったのだが、問題はそこを訪れる人のマナーだった。私有地への立ち入りや無理な道路の横断などが絶えず、一時はコンビニ前の歩道に防御壁が置かれるまでになってしまった。いくら富士山が見えるとはいえ、地元の人にとっては普段使いのコンビニ。観光と生活という全く異なる行動が交差したために起こった問題だった。
こうした観光公害は「オーバーツーリズム」とも表現され、世界のさまざまな場所で問題になっている。
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