2015年7月27日以前の記事
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「昔ながらの名車風」なぜ人気? 自動車メーカーが“過去の遺産”を利用する理由高根英幸 「クルマのミライ」(4/5 ページ)

日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したホンダのフリードのように、近年はクルマのデザインの優先度が高くなった。昔からクルマのスタイリングは重要な要素だったが、機能性で差別化しづらくなった今こそ、さらにデザイン性が問われる時代になっている。

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ヒョンデのINSTERはスマッシュヒットとなるか

 韓国のヒョンデは今年の東京オートサロンで、アイオニック5Nをモディファイしただけでなく、新型車としてコンパクトSUVのINSTER(インスター)を披露した。これは価格も手頃なEVで、航続距離も十分にあり、なおかつ角を丸めたスタイリングと丸型ヘッドライトをイメージしたフロントマスクが何ともかわいらしい。これは女性ユーザーの人気を集めそうだと感じた。


ヒョンデのニューモデルINSTER。手頃なサイズと十分な性能、そしてデザインで日本でもヒットの可能性があるEVだ

 スズキはワゴンRスマイル、アルトラパン、ハスラー、ジムニーといったモデルで丸型ヘッドライトを採用したレトロ調のデザインを取り入れて人気を集めている。ダイハツはムーブキャンパスを2代にわたって販売してきたが、現在はレトロ調のモデルは一区切り付けた印象だ。

 そもそも丸型ヘッドライトが廃止されていったのは、空気抵抗を軽減するためにフロントマスクを薄く低くするためだった。それが技術革新により、個性的なデザインや丸いライトを盛り込みながら、燃費性能も高める仕立てが可能になったのだ。

 だが、丸型ヘッドライトだけがレトロな要素として有効なのではない。米国車などは四角いヘッドライトも古くから使われてきた。そんな当時のデザインを盛り込むことによって人気を博しているパイクカーも増えている。


既存の量産車をレトロ調にカスタムして販売するケースも増えている。写真は東京オートサロンに出展されたキャルモーターの新作。顔つきを変えるだけで印象も大きく変わる

 こうしたムーブメントを見逃すまいと、さまざまな企業が多様なアプローチで参入しているのが、昨今のレトロ調カスタム界隈(かいわい)なのである。

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