顧客満足度、11年連続トップ スウェーデンハウスはなぜ「圧倒的な評価」受けているのか(2/3 ページ)
オリコンが実施している顧客満足度ランキング。その中で、ハウスメーカーの注文住宅を対象にした調査にて11年連続のトップと圧倒的な評価を得ているのがスウェーデンハウスだ。いったいなぜ、他の追随を許さない評価を得ているのか。
「100年住み継げる家」を標ぼう、さまざまな機能性が
スウェーデンハウスは1984年に北海道で設立。創業者は、住宅や運輸などを事業とするトーモクの手取貞夫会長(当時)だった。
初年度から業績がよく、翌年に関東へ進出する。建物を長持ちさせて快適な住み心地も維持し「世代を越えて住み継ぐ家」「100年住み継ぐ高気密・高断熱、家族を守る強い家」「引き渡しから始まるオーナーとの長い付き合い」などをブランドコンセプトに掲げている。
同社の担当者によると、得意なエリアは北海道と関東だという。北海道では、寒冷地に強い仕様のため人気がある。関東は富裕層が多く、建築需要も多いためだ。
他社との差別化として意識していることについては、「『スウェーデン』という会社名の通り、北欧を意識している。北欧は明るい夏と暗い冬が特徴で、昼くらいまで暗く、夕方には日没してしまうような場所だ。住まいに関する感度が高いため、暖かい家の中で健康的なだけでなく、精神的にも豊かに過ごしたいと考える人が多い。このような考え方に基づき、断熱性や気密性などを訴求している」と回答した。
断熱性が高いのは、同社が採用している木製サッシの3層ガラス窓が大きく貢献していると考えられる。外気の影響を大きく受ける窓の性能によって、室内の気温や快適性などは大きく変わる。スウェーデンハウスによれば、高断熱で気密性も高い家であれば、体感温度が安定するという。体感温度と室温の差が少なくなり、快適性が向上するわけだ。継ぎ目にも断熱材を挟み、隙間をなくすことによって気密性を高めている。
スウェーデンハウスは室内の空気にも気を配っている。独自に導入している24時間熱交換型換気システムでは、住居に設置した給気口から空気を取り込み、別に設置している換気システムで汚れた空気を取り込んでいる。近頃問題になっているPM2.5にも対応しており、換気システムにフィルターを装備。微粒子を室内に入れない工夫も面白い。
2024年1月に発生した能登半島地震や、発生の可能性が高まっている南海トラフ巨大地震など、地震大国に当たるわが国では、住宅に耐震性を求めるオーナーも多いはずだ。この点、スウェーデンハウスは耐震性にも優れている。震度6以上の揺れを実物の家で揺らす実験をしたが、補修をする必要がなく構造上の損傷を受けることもなかったという。
その理由には、構造の工夫がある。一般的な住宅と比べて構造そのものが堅く、揺れない構造となっている。具体的には、木でできた壁を一体化させて、地震からの衝撃を壁単位で受け止めるとともに分散させている。揺れが少なければ地震で受ける損傷が少なくなることから、補修の手間もあまりかからない。オーナーにとってはさらなる負担がかからない、というわけだ。
オリコンランキングの口コミでも、断熱性や快適性の高さなどに関して好意的なコメントがあった。オーナーからの税金やライフプランなどに関する相談、50年間にわたって家の定期検診を無料で受けることができるシステムを用意している点も評価が高い。
このように、同社がブランドコンセプトで掲げていることが利用者にそのまま届いていることが、顧客満足度の高い大きな要因だろう。
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