インタビュー
成田空港で「1本880万円のワイン」を販売できたワケ、知られざる“高級酒”の世界:火曜日に「へえ」な話(4/4 ページ)
成田空港の第1ターミナルに、高級酒専門の店がオープンした。店内には数百万円のお酒が並んでいるが、そもそもどのようにして商品を仕入れたのか。担当者を取材した。
次の「1本」へと続く関係
花を咲かせるには、土を耕し、種をまき、水を与えなければいけない。この流れに例えると、ザ・リカーの接客は、まさに「土を耕している」段階といえるだろう。
では、花が咲くのはいつごろなのか。お店は目先の売り上げは追い求めるのではなく、3年後にしっかりと花を咲かせることを目指しているという。
ちなみに、海外の空港では「1本1000万円」を超えるお酒も販売している。そのレベルのお酒を扱うには、やはり店の実績が欠かせない。富裕層の客がどんどん増えれば、メーカー側から「日本で高級酒が売れているようだな。じゃ、ウチの1500万円のウイスキーを成田で販売しよう」といった動きが出てくるかもしれない。
というわけで、高価なお酒を仕入れるにも、富裕層に買ってもらうにも、継続的な関係性が欠かせない。1本の価値を伝えて「はい、おしまい」ではなく、次の「1本」へと続く関係を築くことが重要のようだ。
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