ニトリが開発した新しい口腔洗浄機 「高そう」「痛そう」の壁を乗り越えた:プロダクトInsights(1/2 ページ)
ニトリは、デンタルケア商品の第2弾として「口腔洗浄機」を発売した。特徴や開発のきっかけは?
プロダクトInsights
日々リリースされる新しい商品やサービスたち。その商品やサービスには、必ず企業側の思惑や狙い、生活者のニーズ、時代の空気感が反映されている。本シリーズでは、これらの「Insight」を考察していく。
ニトリ(札幌市)は1月中旬、デンタルケア商品の第2弾として「口腔洗浄機 NS8009」を発売した。一部のニトリ店舗およびニトリネットで扱っており、価格は7990円。
特徴はパワフルながら歯茎にやさしい洗浄
同商品は歯と歯のすき間や歯周ポケットなど、歯ブラシでは届きにくい部分の汚れを高圧の水流で洗い流す口腔洗浄機。特殊な形状のトルネードノズルで渦巻き状の水流をつくり、広がりながら噴射することで、パワフルながら歯茎にやさしい洗浄を実現した。
本体はUSB充電式で、強・弱・パルスの3段階モードを搭載。満充電には約6時間かかり、1回2分間の使用で約30回使える。お風呂場でも使える防水機能も備えている。
開発のきっかけ
ニトリのデンタルケア商品は、2023年発売の音波振動式歯ブラシに続く第2弾となるが、今回はなぜ口腔洗浄機に着目したのか。
同社はデンタルケアを「磨く」だけでなく、「洗う」という新しい概念で提案したいと考えた。口腔洗浄機は水流を使って歯ブラシでは届かない部分の汚れを除去するもので、「スッキリ感に驚いた」「一度使い始めると手放せない」という愛用者が多い。ただ、市場調査をしたところ、高価格や水流による歯茎への影響を懸念して、普及率がそれほど高くないことが分かってきた。
同社は、その課題を解決することで口腔洗浄機を「必需品」にできると考えた。
特に、「価格の高さ」と「歯茎への刺激」という普及の壁を重視した。前者については7990円の価格設定とし、後者については、汚れをしっかり落とすための水流性能を維持しつつ、いかに歯茎に優しい水流を生み出すかにこだわったという。
「試行錯誤の末、強い水圧を維持しながら優しく広がる水流を生み出すトルネードノズルを開発した」(同社)
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