サイゼ、ヤマト運輸、帝国ホテル……顧客満足度が高い企業の「3つのパターン」とは(2/2 ページ)
「顧客満足度向上」が経営における注力テーマの1つとして注目を集めている。新規顧客の獲得がどんどん難しくなり、さらなる人口減少も見込まれる今、既存顧客に愛され続けるブランドであることは、企業にとって重要性を増している。
+αに厳しい日本の消費者
2024年の調査を経て、本生産性本部 サービス産業生産性協議会は2つの注目ポイントがあると語る。
1つ目は、「日本の消費者は基本品質+αに厳しい」という点で、国内長距離交通業種のLCC(格安航空会社)への消費者の評価を例に挙げる。
同社は、LCCは安い値段を実現するため、付帯サービスをそぎ落としたビジネスモデルが多いが、「日本人の消費者は基本品質と呼ばれる清掃や最低限の接客などに加え、“気の効いたサービス”といった+αを期待しているケースが多いのではないか」と分析する。こういった消費者の傾向が影響し、LCC各社の知覚品質の数値を落としていると考えられる。
2点目は、「値上げに対する評価」だ。2024年度の結果では、消費者がある程度「値上げを許容している」ことが読み取れるという。多くの企業では、値上げを実施した後1年程度は顧客満足度が落ちる傾向があるが、「本当に必要とされているサービスであれば、1年ほどで満足度は元に戻る」と分析する。
顧客満足度向上を向上させ、顧客のロイヤリティを高めていくことは、市場の変化が大きい今、経営課題の1つとして欠かせない視点となっている。
顧客満足度は、単発的な施策ではなかなか数値は改善しない。長期的な施策でしか成し得ないものだ。自社が今、顧客からどのように思われているのか、現在地を把握することは重要だ。現在顧客満足度1位を獲得している企業は自社の状況をどのように捉え、満足度アップに向けた取り組みをしているのか、今後の動向も注視したい。
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