インタビュー
「風呂は固定」が常識だよね? それでもリクシルが“片付けられる浴槽”を開発した理由(5/5 ページ)
LIXILが販売した室空間「bathtope(バストープ)」が話題になっている。シャワールームとバスルームを自由に切り替えられるのが最大の特徴で、浴室が自由に着脱できる。商品開発の舞台裏をリクシルに取材した。
課題は「入浴体験」の提供
今後の戦略について、金子氏は「体験できる場所をつくりたい」と語る。
「バストープはオンラインでも購入できますが、最も安いタイプでも100万円以上するのでネットではハードルが高いですよね。購入を後押しするには体験が重要ですが、現状は一般消費者向けの施設はご用意できていません」
布の浴槽ならではの入り心地を伝えるには、やはり体験が重要なポイントとなる。今回、メディアや事業者向けの施設で体験したところ、ハンモックのように頭や体を預けられる感覚を理解できた。
ホテルなどへの導入や一般消費者向けの体験施設の設置が理想だが、都心のホテルは稼働率が高く、すぐに工事を進めるのは難しいという。
「できるだけ早めに体験できる場所をつくりたいのですが、まずは購入事例を集めて検討中の方にアプローチしたいなと。バストープは完成された100点の商品ではなく、80点ぐらいの商品なので、消費者の方の要望を受けて成長していく余白があると思います。浴槽単体での販売可能性や空間活用のさらなる価値を追求していきます」
販売から約3カ月が経過し、次の発展に向けて動き出しているバストープ。世界的に販売できるようになれば、日本発のユニークなヒット商品になるかもしれない。
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