「風呂は固定」が常識だよね? それでもリクシルが“片付けられる浴槽”を開発した理由(4/5 ページ)
LIXILが販売した室空間「bathtope(バストープ)」が話題になっている。シャワールームとバスルームを自由に切り替えられるのが最大の特徴で、浴室が自由に着脱できる。商品開発の舞台裏をリクシルに取材した。
海外からも問い合わせ続々
11月26日の販売が決まった後は、10月1日にプレスリリースで発表し、10月18〜27日に開催されたデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO 2024」に出展した。SNS投稿に加え、イベントにテレビやWeb媒体などの取材が入ったことで情報が広く知れ渡り、想定以上の反響があったという。
例えば、TikTokではリクシルが投稿した動画に10万以上のいいねと1000以上のコメントが付いた。コメントには「サウナの水風呂に良さそう」「用途使い分けでペットにいいかも。あとは反抗期の娘のために『お父さん専用』とか」「災害時の貯水槽にもなりそう」など、用途に言及する声が多くあった。
一方で、浴槽だけを販売する商品だと勘違いしたことによる「強度」への懸念も。「野外で使えそう」という声も多くあったが、壁裏のフレームで荷重を担保しているので野外での使用は難しい。デメリットである「保温性が弱い」「浴槽が数年しかもたない」といった点を指摘する声も見られた。
国境を越えて海外からも興味関心が寄せられた。TikTokには外国語のコメントがズラッと並び、アイデアへの驚きや使い方への疑問のほか、「今すぐほしい」という声も。
「海外からの問い合わせも相当数あります。『購入したい』という方もいるのですが、浴槽の単品販売は現状不可能であり、工事も現状は国内のみなので、お断りするしかなくて……。これほどの反響をいただいているので、広く販売できるような別の仕様も考えていきたいですね」
国内では納品事例もあるが、現地調査が必要な商品であり、まだ検討中の人が多い状況だ。これまでのところ、内装にこだわりを持つ賃貸物件のオーナーやリフォーム事業を展開する工務店、リゾートホテルなどから問い合わせが多いという。
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