「風呂は固定」が常識だよね? それでもリクシルが“片付けられる浴槽”を開発した理由(3/5 ページ)
LIXILが販売した室空間「bathtope(バストープ)」が話題になっている。シャワールームとバスルームを自由に切り替えられるのが最大の特徴で、浴室が自由に着脱できる。商品開発の舞台裏をリクシルに取材した。
開発では浴槽の「水漏れ」に苦戦
新発想の商品が誕生した背景には、2021年から実施されている社内のアイデアコンペがある。浴室部門のデザイナー3人がバストープの企画を立案し、そのコンペで最優秀賞を受賞した。
「単身や少人数世帯が増えるなかで、住宅のあり方も変わってきています。当社が実施した入浴にまつわる調査では、56%の方が浴槽浴とシャワー浴を切り替えると回答しており、入浴スタイルに合わせて浴室空間も切り替えられたら利便性が高まると考えました」
そこで、単身世帯、共働きの夫婦やカップル、少人数の家族に加え、新しいものが好きな人や感度が高いイノベーターをターゲットに設定し、開発を進めることにした。
2年半ほどの開発期間を経て、トイレ、お風呂、洗面などの水まわり・タイルの国内事業が100周年を迎えた2024年に、「新たな浴室空間の提案」として販売にいたったという。「開発は苦労が多かった」と金子氏は振り返る。
「当初は、機械式の折りたたみ浴槽なども検討しましたが、最終的に『折りたためる布の浴槽』にたどり着きました。コロナ禍を経て、自然回帰やサステナブル、ウェルビーイングを追求する傾向が高まっていて、そうした背景から、モノを包むだけでなくバッグにもなる風呂敷や1枚の布からつくられる着物、1枚の紙を折りたたんで変化させる折り紙などにインスピレーションを受けたんです」
リクシルには布の知見がなかったため、布を使って浴槽の形状をつくるところが最大の難関だった。布を縫い合わせてサンプルをつくったところ、縫い目から水が漏れてしまうことが判明。さまざまな種類の布を試したがうまくいかず、試行錯誤した。
「どうしたら縫い目を最小限に抑えられるだろうかと考え、蝶(チョウ)のようなカタチに布を裁断することに。合わせ目は熱溶着をメインにして縫い目を一部にとどめたところ、漏れを回避することに成功しました」
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