「風呂は固定」が常識だよね? それでもリクシルが“片付けられる浴槽”を開発した理由(2/5 ページ)
LIXILが販売した室空間「bathtope(バストープ)」が話題になっている。シャワールームとバスルームを自由に切り替えられるのが最大の特徴で、浴室が自由に着脱できる。商品開発の舞台裏をリクシルに取材した。
浴槽が“着脱”できる新発想の浴室
バストープの特徴は主に3点ある。1つ目は、布製の着脱可能な浴槽を採用し、用途に応じてシャワールームとバスルームを柔軟に切り替えられること。浴槽の取り付けは、浴室に備えられた4カ所のフックに本体の輪っか部分を引っかけるだけと容易だ。
使用後は、排水口からお湯を流し、中性洗剤とスポンジで洗った後、浴室内の乾燥機能または野外の陰干しで乾燥させる。ひと手間はかかるが、見えない部分の汚れが発生しづらく、通常の浴室よりも清潔に保ちやすいそうだ。
2つ目は、空間の使い方を工夫することで、間取りの自由度が上がり、浴槽の窮屈さを解消できること。浴槽を長辺に配置することで浴室を効率的に使えるため、洗面所やランドリールームを広めに取ることが可能だ。また、比較的長身でも足を曲げずに入れるため窮屈さを感じにくいという。
3つ目は、サステナビリティに配慮していること。従来のユニットバスの浴槽だと約190リットルのお湯を使うが、ハンモックのような形状のバストープは140リットルで済むため約26%の節水になる。浴槽の素材は主にポリエステルとポリウレタンで、処分する際も分別しやすいそうだ。
ラインアップは、デザインや機能が異なるEタイプ(114万2300円〜)、Sタイプ(148万4200円〜)、Gタイプ(2025年春以降に発売予定、価格未定)の3つで、浴槽単体ではなく浴室空間としての販売となる。保証期間は1年間で、浴槽は消耗品扱いとなる。使用頻度によるが数年ほどで買い替えが必要となり、バストープの購入者は浴槽単体でも購入可能だ。
浴室空間での販売としているのは、安全性担保のためだ。浴槽には140リットルの水の重みに人の重さが加わるため相当な荷重がかかる。それを壁裏に配置したフレームで支えている。耐荷重は100キロとなる。
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