炎の“ゆらぎ”をデザインした! イワタニのカセットガス式「暖炉」が面白い:週末に「へえ」な話(3/4 ページ)
カセットこんろなどを手掛ける岩谷産業が、ちょっとユニークな製品を開発した。「暖炉」である。カセットガスを使った暖炉は、どのような特徴があるのかというと……。
炎がゆらぐワケ
次に、冒頭の問いに戻ろう。なぜ、たき火の炎はゆらぐのか。この問題を解決しない限り、マイダンロは完成しない。
ネットをちょっと調べると、「炎は燃えるために酸素を必要とし、周囲の空気を取り込みながら燃焼する」「風が吹くと、炎がその方向に流れ、ゆらぎの原因になる」などと書かれているが、“美しいゆらぎ”を生み出す方法がなかなか見つからない。
本山さんもさまざまな情報を調べたが、理解できたようなできないような、もやもやした状況が続いていたという。ただ、ひとつだけ言えることがある。屋外でたき火をすると、風の影響を受けて、炎は大きくゆらぐ。しかし、部屋の中でロウソクに火をともしても、ゆらぎは小さい(風がなければ、ほぼゆらがない)。
であれば、暖炉に「上昇気流を取り入れてはどうか」と考えた。箱の下に穴を設け、そこから空気を取り込み、その空気を上から逃がす構造にしてはどうか。穴の大きさはこれでいいのか、位置はここでいいのか。1年ほど試行錯誤を重ね、ようやく製品が完成したのだ。
ちなみに、空気の穴をふさぐとどうなるのか。手で軽く触れるだけで、ゆらぎに乱れが生じる。次に、背面の大きなカバーを取り外したところ、ゆらぎが大きく乱れてしまった。
空気の量がたくさん入ってくるので、そのぶん乱れてしまうわけだが、カバーを閉じると、すぐに元のゆらぎに戻る。このように、わずかな環境の変化によって「ゆらがない」または「大きくゆらぐ」といった現象が生じるほど、繊細な暖炉ともいえるのだ。
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