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「また高層ビルが建つのか」 再開発はなぜ「負」のイメージが強くなったのか(3/7 ページ)

東京や大阪など、大都市部で再開発が盛んにおこなわれている。その意図は何なのか、そして“良い再開発”と“悪い再開発”の差は何なのか……。

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似たようなビルが誕生するメカニズム

 しかし、どうしてこのような似た形のビルが誕生するのだろうか。ざっくりではあるが、簡単にそのメカニズムを説明したい。

 再開発という巨大プロジェクトに先行投資をするのだから、事業者ができる限り短期で、なおかつ手堅く利益が出るようにしたいと考えるのは当然だ。そのとき、最も効率よく利益を回収する方法は、なるべくその土地に高い建物を作り、床面積を増やすことである。そうすれば、オフィスやテナントでの賃貸収益が見込めるからだ。


多くの店が入る麻布台ヒルズ(出所:麻布台ヒルズの公式Webサイト)

 ただし、ここで問題が生じる。どんどん高い建物を作っていたら、都市が高い建物ばかりになり、カオスになってしまう。日照の問題などから劣悪な住環境が生まれたり、高さだけを目指した無茶な計画が立てられたりするかもしれない。

 そうしたカオスをある程度コントロールするためには、規制が必要になる。その1つが容積率による制限だ。ざっくり言えば、その土地に建てられる建築の高さを制限するもので、土地の面積や地区に応じて決められている。ただし、いくつかの街区では都市の成長を促進させるためにこの容積率の緩和が行われている。つまり、ある条件をクリアすれば、より高い建物を建てられるというわけだ。

 その緩和要件の1つとして「公共貢献」がある。読んで字のごとく、その開発が社会のためになるとき、そのご褒美として制限の緩和が行われるのだ。例えば、緑地を作ったり防災の拠点を作ったりすることが「公共貢献」に該当する。だからこそ、事業者はより床面積を増やすために緑地の量を増やそうとする。こうして「高層緑化様式」が誕生するというわけだ。

 再開発にはさまざまな制度が複雑に絡み合っているため、これは非常に大ざっぱなまとめ方だ。ただ、大まかに見ればこのようにして再開発が行われているのが現状なのである。

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