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東海地方の雄・バロー、スーパー激戦区の関東に進出へ 「十分に勝算あり」と言えるワケ:小売・流通アナリストの視点(3/5 ページ)
東海地方を本拠地とするスーパーのバローが着実に存在感を増している。その成功の背景にはどんな戦略があるのか……。
スーパーの同質化競争に一石を投じる
なぜ、このDSが好調なのか。その背景には、食品スーパー業界が、チェーンストア同士の同質化競争になっていることがある。かつては、チェーンストアがその規模の利益を活用して、商店街の個人店やインフラの弱い中小スーパーからシェアを奪っていた。
しかし、今や生き残っているライバルのほとんどが相応規模のチェーンストアである。チェーンストア同士での競争は簡単には勝負はつかず、消費者にアピールする明確な差別化ポイントが必要になる。そこでは規模とインフラの力に加えて、鮮度や安さ、接客を兼ね備えた生鮮専門店のノウハウが、大きな差別化になるということが分かってきたのである。
DSの成功によって、バローは中部地方でのシェア向上を続けながら、近畿地方への進出を加速している。2013年度に150億円ほどであった近畿での売り上げは、2023年度には629億円まで拡大。2024年度第3四半期では2割ほど増やしていることから、今期には750億円に達するだろう。
近畿地方といえば、最近、大阪に首都圏発のディスカウントスーパーのオーケーが進出したことが話題になった。この時にも、関西のマスコミは関東勢のオーケーやロピアと並んで、中部からのバロー進出を度々取り上げていた。バローは関西でも、生鮮特化型スーパーのヤマタや八百鮮をM&Aでグループに迎え入れている。彼らと連携しつつ、生鮮で差別化したバローは、関西でのさらなるシェア拡大を進めていけるようになったのだ。
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