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アプリを開くたびに「推し」に会える喜び モバイルVカードが生み出す「好き」の経済圏:「ポイント経済圏」定点観測(2/5 ページ)
モバイルVカードを好きなデザインに着せ替えできる「Vキセカエ」。人気アニメやスポーツチームなどのデザインが選べるという一見地味なサービスだが、その裏にはポイント利用の根本的な変革を目指す戦略があった。
CCCのエンタメ歴史が裏打ちする企画力
Vキセカエの本質を理解するには、CCCのエンターテインメントビジネスの歴史を知る必要がある。
CCCとエンタメの40年の歩み。1983年「新しい生活スタイルの情報を提供する拠点」として蔦屋書店枚方店からスタート、2011年「大人のための文化の牙城」をコンセプトに代官山 蔦屋書店を開業、2024年には「好きなもので、世界をつくれ」を掲げてSHIBUYA TSUTAYAをリニューアル
CCCとエンタメの関係は1983年に始まる。大阪の枚方店で開業したTSUTAYAは「新しい生活スタイルの情報を提供する拠点」として、映像や音楽のレンタルを通じた文化発信を目指した。2011年には「大人のための文化の牙城」というコンセプトを掲げた代官山 蔦屋書店がオープン。クリエイターのインスピレーションを刺激する場として、CCCの新たな象徴となった。
2024年には「好きなもので、世界をつくれ。」をコンセプトに渋谷スクランブル交差点に面した「SHIBUYA TSUTAYA」をリニューアル。ここでは「THE FIRST SLAM DUNK "COURT"」の復活上映記念イベントで湘北VS.山王工業のコートを再現したり、ハローキティの完全没入型体験イベントを開催したりと、IP(知的財産)を軸とした体験提供に力を入れている。
渋谷TSUTAYAで開催された「THE FIRST SLAM DUNK "COURT"」復活上映記念イベント。映画の世界観を再現したバスケットボールコートが設置され、天井から吊(つ)るされたボールや壁面のキャラクターイラストが来場者を迎える。夏休み期間中、多くの家族連れでにぎわった
CCCは40年にわたり、レンタル、書店、ライフスタイルショップへとビジネスモデルを変化させながらも、常に「エンターテインメント」を中核に据えてきた。その経験と知見が今、「Vキセカエ」という形でポイントサービスに応用されているのだ。
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