王者楽天ポイントに迫れるか? 新生Vポイントの“勝算”:「ポイント経済圏」定点観測(1/5 ページ)
CCCマーケティングが運営するTポイントと、SMBCグループが運営するVポイントが統合し、新生Vポイントが誕生した。企業発行ポイントの市場規模は2.5兆円を超えているが、新生Vポイントの勝算はどこにあるのか。
4月23日にCCCマーケティングが運営するTポイントと、SMBCグループが運営するVポイントが統合し、新生Vポイントが誕生した。共通ポイントの先駆けであるTポイントの名称はなくなるものの、イメージカラーである青と黄色を引き継ぎ、継続性と将来性の両方をアピールする。
市場規模2.5兆円に達した企業発行ポイント。中でも、楽天ポイント、dポイント、Pontaポイント、PayPayポイント、そしてVポイントは、ポイント経済圏を作り、グループ内に顧客の囲い込みを進めている。そんな中、新生Vポイントの勝算はどこにあるのだろうか。
旧Tポイントの立ち位置
まずは旧Tポイントの立ち位置を確認しておこう。読者の方々のTポイントのイメージはどうか? 「昔Tポイントカード、持っていたなあ」「コンビニで『Tポイントカードはお持ちですか?』と何度も言われた」という感想を持っている人も多いだろう。ポイントとしては最も古くから親しまれていて、探せば1枚くらいは持っている。でも、最近あまり流行っている感じはしない。そんなところではないだろうか。
MMD研究所が1月に実施した2万5000人を対象とした調査を見ると、その実態が明らかになっている。下記は「活用しているポイント」を複数選択で聞いたものだ。首位は楽天ポイントの59.3%。そしてTポイントが48.3%で2位に付けている。
「Tポイントにはユニークかつアクティブな会員が7000万人いる」とCCCMKホールディングスの高橋誉則社長は、TポイントとVポイントの統合発表会で普及をアピールした。実に日本国民の6割近くがTポイントのアクティブユーザーだということだ。これは先のMMD研究所の調査とも一致し、Tポイントの普及率の高さを示している。
ところが「メインで活用しているポイント」は何かを聞くと、この順位は見事にひっくり返る。相変わらずトップは楽天ポイントだが、Tポイントは一気に順位を落とし、共通ポイント内で5番手、わずか7.0%しかメインで使っているユーザーはいない。
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