連載
王者楽天ポイントに迫れるか? 新生Vポイントの“勝算”:「ポイント経済圏」定点観測(2/5 ページ)
CCCマーケティングが運営するTポイントと、SMBCグループが運営するVポイントが統合し、新生Vポイントが誕生した。企業発行ポイントの市場規模は2.5兆円を超えているが、新生Vポイントの勝算はどこにあるのか。
最も意識している経済圏
「最も意識している経済圏」を尋ねると、状況はさらに悪化する。先の「活用しているポイント」と「メインで使っているポイント」が現状を尋ねたものだとすれば、この「意識しているポイント」は将来のトレンドを示すものだ。
ここでもほぼ半数を楽天経済圏が占めてトップなのは変わらないが、2位にはPayPayが入っている。PayPayは前回調査から唯一マインドシェア(顧客の心の中に占める特定ブランドの占有率)を拡大させており、注目度が最も高い。一方でVポイント(旧Tポイント)はわずか4.1%。イオン経済圏にもダブルスコアに近い点数で負けている。
「楽天ポイントを捉えかねない位置に付けているのに、メインのポイントとしては大きく下がる」とMMD研究所の吉本浩司所長は指摘する。とりあえず持っていて機会があれば使っているが、もはや終わったポイントだとユーザーは考えている――。そんな微妙な立ち位置にあるのが、旧Tポイントだったわけだ。
ではこの旧Tポイントは、SMBCグループのVポイントと統合することで上昇気流に乗れるのだろうか? その前に、ライバルである他の5つの共通ポイントの強みをチェックしておこう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
三井住友カードのクレカ投信積立で“大改悪” 5大ポイント経済圏の最新動向
企業が発行するポイントが消費活動に欠かせないものになってきた。多くのユーザーが「ポイ活」にチカラを入れているようだが、企業側はどのような囲い込みを図っているのか。最新動向をまとめてみた。
アプリ統合で反転攻勢 「楽天ペイ」の“現在地“は? ポイント経済圏の行方
楽天ポイントという最強のポイントを持つにもかかわらず、リアル店舗での決済ではいまひとつ出遅れ感もあった楽天ペイ。反転攻勢に出ようとしているが、どのように?
「手数料無料」で打撃の楽天証券が、ゼロ化を武器に今後伸びそうな理由
ヤマダデンキ、JR東、高島屋も……各社が急速に「銀行サービス」を開始したワケ
百貨店の高島屋や航空会社のJAL、プロ野球の北海道日本ハムファイターズなど、金融業界以外の企業が次々と銀行サービスに参入し話題を呼んでいる。さらにこの4月には、JR東日本も「JRE BANK」の名称で銀行サービスを開始すると発表した。なぜ今、銀行以外の企業が金融サービスに注目するのか。
