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アプリを開くたびに「推し」に会える喜び モバイルVカードが生み出す「好き」の経済圏「ポイント経済圏」定点観測(5/5 ページ)

モバイルVカードを好きなデザインに着せ替えできる「Vキセカエ」。人気アニメやスポーツチームなどのデザインが選べるという一見地味なサービスだが、その裏にはポイント利用の根本的な変革を目指す戦略があった。

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デジタルとリアルを融合する

 「アプリだけに留めるつもりはない」と撫養氏は今後の展開についても意欲を見せる。「特別なサービス、企画を合わせて提供していきたい」というのだ。

 「例えば、着せ替えの新しいコンテンツをリリースするタイミングで、SHIBUYA TSUTAYAでリアルでもイベントを実施する」と撫養氏は具体例を挙げる。「着せ替えを持った状態で渋谷のお店に行ってもらったら、こんなサービスが受けられる」といった特典を考えているという。買った人限定のクローズドイベントや優先的に入場できる権利なども検討されている。

 長らくポイントサービスは「還元率」や「提携店舗数」といった経済的メリットを競い合ってきた。しかしCCCは「情緒的価値」に着目し、1983年から培ってきたエンターテインメント事業のノウハウを生かして、ポイントと「好き」を結びつける新たなエコシステムの構築に乗り出している。


「Vキセカエ」発表会での一幕。取締役の撫養宏紀氏が「Vポイントアプリを開くたびに『好き』に会える」というコンセプトを説明

 単にポイントをためて使う経済的メリットだけでなく、アプリを開くたびに「好き」に会える喜びを提供するーー。そんな「感情価値を伴うポイント経済圏」への挑戦が始まっている。

筆者プロフィール:斎藤健二

金融・Fintechジャーナリスト。2000年よりWebメディア運営に従事し、アイティメディア社にて複数媒体の創刊編集長を務めたほか、ビジネスメディアやねとらぼなどの創刊に携わる。2023年に独立し、ネット証券やネット銀行、仮想通貨業界などのネット金融のほか、Fintech業界の取材を続けている。


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