連載
ジーユーの新ライン「ユージー」って? 浮かぶファストリの戦略(2/5 ページ)
GUがファッションブランドのUNDERCOVERとの協業による「UG」の発売を発表した。その裏にある戦略とは一体何なのか。
GUの成長とブランド戦略の変遷
GUは2006年にファーストリテイリングの新たな低価格ブランドとして誕生した。当初は売り上げが伸び悩んだものの、990円ジーンズのヒットによって脚光を浴び、若者を中心に「トレンドを気軽に楽しめるブランド」として人気を高めていった。2013年にはブランド名を「g.u.」から「GU」へと変更し、ファミリー層からさらに広範な顧客層へ訴求するための体制を整えた。
GUの特徴は、ユニクロが積み重ねてきたノウハウを生かしながら、より安価に、より軽いトレンド感を提供している点である。低価格路線をキープしつつ、シーズンごとに流行を取り入れたアイテムを迅速に売り出すことが強みであり、多くの若年層やファミリー層を取り込んできた。その一方で、競合には同様の価格帯・ターゲットを狙う企業も増えてきており、近年は差別化の必要性がさらに高まっている。
そんな中で、GUは近年、ブランドやデザイナーとのコラボレーションを積極的に展開するようになった。MIHARAYASUHIRO(ミハラヤスヒロ)やbeautiful people(ビューティフルピープル)、rokh(ロク)、さらにはコスメブランドのSABON(サボン)との協業など、カテゴリや世界観の異なる企業との企画商品を打ち出すことで差別化を図っている。「GU=安いだけでなく、おもしろい」と感じさせる仕掛けがコラボの狙いだが、それらの企画の多くが期間限定であった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「たまにはユニクロ以外も着ようかな」←その店もユニクロ系列です 高級ブランドも抱えるファストリの戦略
「ユニクロ」や「GU」で知られるファーストリテイリング。実は中〜高価格帯ファッションブランドも傘下に抱えていることもご存じだろうか。
ユニクロ最注力の「パフテック」好調 「ウルトラライトダウン」のクレーム乗り越え
令和のバーキン? 今年も人気 ユニクロのバッグ、秋冬向けに改良も「在庫ほとんどない」
ユニクロが2024年秋冬最新モデルとして販売した「ラウンドショルダーバッグ/キルト」が今年も人気だ。
チョコザップ「カラオケ導入店舗」爆増のナゾ そこから見える戦略とは?
chocoZAPがセルフエステやネイル、ひいてはカラオケルームを導入する意図は何なのか。
コストコ「年会費値上げ」の衝撃 顧客をつなぎとめるために必要な要素とは?
コストコが年会費を値上げした。サブスク型ビジネスにおいて、なぜ値上げが行われ、どのようなリスクが想定されるのか。そして値上げによる顧客離れを最小限に抑えるためには何が必要なのか…。
