インタビュー
猛毒、性、暗闇……サンシャイン水族館の「トガり企画」に潜む生存戦略(4/4 ページ)
高層フロアに位置し、海に隣接もしていない。そんな民営水族館の「生存戦略」とは。
「この人はカワウソが好き」 常連客と深く向き合うファンクラブが始動
もちろん、ライト層以外の「常連客」に対する取り組みも行っている。これまで最大で5万人ほどが利用していた年間パスポートの受け付けを2023年に廃止。2024年から新たな会員制度「アクアリウムクラブ」を開始した。
2回ほどの来場で「元」が取れた年間パスポートと異なり、アクアリウムクラブの価格は最大で1万円超。その分、会員限定のイベントなど近い距離感を意識した運営によって、ヘビーユーザーとの関係性を強化する狙いだ。2024年1〜2月と比較し、この1〜2月は会員数が40%増で好調だという。
「他の水族館でファンクラブを運営しているところは少なく、新たなチャレンジとして始めました。年間パスポートと比較して、会員数が絞られたことで『このお客さまはカワウソが好き』など、よりお客さま個人個人への理解が深まり、密度の高いコミュニケーションができるようになっています」(アクアゲストコミュニケーション部 次長 森下祐輝さん)
2023年度の来場者数は136万人で、コロナ前の2019年度(147万人)に少しずつ戻しつつある。とがった企画によるライト層の呼び込みと、ヘビーユーザーとのコミュニケーションでどこまで数字を伸ばせるか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
大人のキッザニア「6年ぶり解禁」で大盛況 楽しいだけじゃない、熱中の裏側
キッザニアは約6年ぶりに「大人のキッザニア」を開催した。いつもと違う大人の空間を取材した。
デニーズ「1400円ラーメン」が好調 「1000円の壁」乗り越えた要因は?
デニーズが期間限定で販売している「味噌らぁ麺〜五重(いつつがさね)の味噌」が好調だ。どんなラーメン?
“インバウン丼”と呼ばないで――1杯1万円超の海鮮丼が話題の豊洲「千客万来」、運営企業が漏らした本音
メディアによる切り取った報道に、現地は困惑しているようだ。
書類でよく見る「シヤチハタ不可」、シヤチハタ社長に「実際どう思ってますか?」と聞いたら意外すぎる答えが返ってきた
ハンコで国内トップメーカーのシヤチハタが、2025年に創業100周年を迎える。気になっていた質問をぶつけてみた。インタビュー後編。
なぜ、キットカットは日本だけ「40種類」もあるのか? 爆買いされるのに「外国人ウケ」は決して狙わないワケ
インバウンドに大人気なあのお菓子。商品開発の裏側は。

